
弊社が開発した「パルスハートバンド」は、高齢者の24時間リアルタイム見守りを実現する、介護テクノロジーIoTシステムです。
利用者様の手首・腕・足首などに装着することで、心拍数や体温といったバイタルデータをリアルタイムに測定し、クラウド上で一括管理・保存します。ナースセンターや詰所、さらには遠隔地からもモニタリングが可能で、アラート通知やメール通報機能により、異常の早期発見と迅速な対応を支援します。利用者様の状態を常時把握できる、業務用として唯一の見守りシステムです。
さらに、血中酸素濃度(SpO₂)、歩数、消費カロリーといった健康指標も測定・記録でき、日常の健康管理にも活用いただけます。
「パルスハートバンド」は、ウエアラブル端末を活用した福祉用具として正式に認定を受けており(TAISコード:02114-000001)、医療・介護の現場で安心してご利用いただける製品です。
本製品の開発には、ものづくり補助金を活用させていただきました。2024年には、医療・介護施設において225台が稼働し、現場からのフィードバックをもとに、現在は次世代モデルの開発も進行中です。
展示会では、実機の体験に加え、導入事例や運用成果もご紹介いたします。現場の課題に寄り添いながら、テクノロジーで支える新しい介護のかたちを、ぜひご体感ください。
従来の見守り機器は、夜間のベッド上での管理が中心で、日中は介護職員による目視が頼りでした。しかし、入浴中・食事中・リハビリ中など、動きのある日常の場面こそ事故や体調変化が起こりやすく、本来は見守りが必要な時間帯です。
「パルスハートバンド」は、そうした日常のすべてのシーンで24時間のリアルタイム見守りを可能にします。これまで難しかった“日中の見守り”をテクノロジーで補完することで、利用者様の安全性を大きく高めることができます。
また、介護施設では職員の業務負担が深刻な社会課題となっています。高齢者の方々には常時注意が必要で、夜間も巡回を続けなければならず、精神的・身体的な負担が蓄積しやすい状況です。
「パルスハートバンド」は、装着するだけで心拍数や体温などのバイタルデータを自動取得し、異常の兆候を早期に察知。事前に対処することで、事故の未然防止につながります。
これにより、職員の負担を軽減し、施設全体の業務効率化と安心感の向上を実現します。人手不足が続く介護現場において、テクノロジーが “人に寄り添う力” となる、それが「パルスハートバンド」の社会的な役割だと考えています。

繰り返しになりますが、「パルスハートバンド」は、ウエアラブル端末を活用した福祉用具として正式に認定を受けた製品です。(TAISコード:02114-000001)この認定は、介護現場での信頼性や導入のしやすさを裏付ける重要なポイントです。
さらに、「パルスハートバンド」最大の特徴は、独自開発のプラットフォームを持っていることです。一般的な製品では、Apple Watchなどのスマートウォッチと連携し、限られた人数を対象に見守りを行うケースが多く、10名〜20名程度が上限となることもあります。しかし「パルスハートバンド」は、利用者数に制限がありません。施設の規模に関係なく、50名でも100名でも、さらには1万人規模でも一括管理が可能です。これは、介護・福祉の現場において非常に大きな利点です。また、リアルタイム性にも優れています。従来の製品では、1〜10分程度のタイムラグが生じることがありましたが、「パルスハートバンド」は1秒単位でデータを取得し、異常があれば即座にアラート通知が可能です。まさに “本当のリアルタイム” を実現しています。
加えて、装着者の負担を最小限に抑える設計も特筆すべき点です。重さはわずか12g、1円玉12枚分の軽さで、装着すると自動で電源が入り、設定や操作なしにデータ送信が始まります。使う人にも、管理する人にも優しい設計です。
そして、個人情報保護にも配慮しています。「パルスハートバンド」自体は個人を特定せず、IDで管理されます。施設側でIDと利用者を紐付ける仕組みのため、外部からデータを見ても誰の情報かは分からず、セキュリティ面でも安心してご利用いただけます。

「パルスハートバンド」は、現在すでに病院や介護施設を中心に導入が進んでいます。たとえば、東京の病院様では180台を導入いただき、入院患者さん全員に装着していただいています。ナースセンターでは、24時間体制でリアルタイムの見守りが行われており、現場の安心感につながっています。
2024年の稼働実績は225台。今後は、さらに多くの医療・福祉施設へ展開を広げていく予定です。
医療・介護の現場では、看護師さんや介護士さんの定数が決まっており、簡単に人員を増やすことはできません。その中で「パルスハートバンド」は、業務負担を軽減し、スタッフの緊張感を和らげる役割を果たします。異常があれば即座に通知されるため、常に目を離さずにいる必要がなくなり、心理的にも余裕が生まれます。
こうした仕組みによって、施設全体の業務がDX化され、より効率的で安心なケア体制が実現できます。人に寄り添いながら、テクノロジーで支える。それが「パルスハートバンド」の目指す未来です。
現在は医療・介護分野での導入が中心ですが、最近ではスポーツクラブやジム、健康ランド、幼稚園、部活動など、さまざまな分野からお問い合わせをいただいています。特に、アスリートのコンディション管理や、子どもたちの安全見守りといった用途に関心が高まっています。
また、少しユニークなところでは、ペットや家畜への応用についてもご相談をいただいています。命を見守るという点では、人も動物も共通しており、私たちとしても非常に興味深い領域です。
「パルスハートバンド」のシステムは非常にシンプルで柔軟性があるため、アイデア次第で多様な分野に展開可能です。ただし、すべてを弊社だけで完結させるのではなく、プラットフォームをご活用いただける企業様と協業しながら、それぞれの現場に最適な形でシステム化していくことが理想だと考えています。
今後は、医療・福祉の枠を超えて、より広い分野で「見守りの安心」を届けていきたいと思っています。
現在、「パルスハートバンド」は医療・介護分野での導入が進んでいることもあり、医療機関や介護施設に関わるバイヤー様とぜひマッチングさせていただきたいと考えています。量産体制はすでに整っており、規模に応じた柔軟な供給が可能です。
また、弊社は課題解決型のソフトウェアやIoTデバイス、システムの受託開発も行っております。現場で「こういうことができたらいいのに」「この業務をもっと効率化したい」といったお悩みをお持ちの企業様がいらっしゃれば、ぜひ一緒に解決に取り組ませていただきたいと思っています。
「パルスハートバンド」は単なる製品ではなく、課題に寄り添い、現場にフィットする形で進化できるプラットフォームです。共に新しい価値を創り出していけるバイヤー様との出会いを楽しみにしています。

現在、「パルスハートバンド」を導入いただいている病院様や介護施設様から、さまざまな新しいニーズを頂いております。そうした現場の声をもとに、現在、次世代モデルの開発に取り組んでおり、2026年2月のリリースを予定しています。
次世代モデルでは、使い勝手のさらなる向上に加え、データを吸い上げる機器をスマートフォンに置き換える構想を進めています。開発を始めた2022年当時は、高齢者のスマートフォン普及率が非常に低かったのですが、NTTドコモモバイル社会研究所の2025年の調査によると、70歳以上のスマートフォン所有率は約85%に達しています。
この変化は大きなチャンスです。スマートフォンを活用することで、遠方に住むご家族が、離れて暮らす両親や祖父母の健康状態をリアルタイムで見守ることが可能になります。たとえば、ご両親が海外旅行に行かれた際にも、スマホ対応の「パルスハートバンド」があれば、安否確認がスムーズに行え、安心感が得られます。
今まさに、バージョンアップに取り掛かっているところです。私たちは、技術の進化と社会の変化を柔軟に取り入れながら、より多くの方に “見守られている安心” を届けられる製品を目指しています。

エニーシステムは、2014年に設立されたIT企業で、システム設計・開発やソフトウェア開発を中心に事業を展開しています。医療・福祉分野をはじめ、さまざまな業界の課題解決に向けたITソリューションを提供してきました。
私自身は前職で、病院向けのオーダリングシステムや電子カルテの開発に携わっており、医療現場の業務やニーズに深く関わってきました。エニーシステムを立ち上げた当初は、以前からお付き合いのあった医療機関様のシステムメンテナンスを引き継ぐ形でスタートしましたが、そこから自然と介護領域にも関わるようになり、現在では福祉・介護分野に特化した製品やサービスの開発にも力を入れています。
現場の声に耳を傾けながら、ITの力で「人にやさしい仕組み」をつくること。それが私たちエニーシステムの原点であり、これからも変わらない姿勢です。

「パルスハートバンド」の開発は、ある介護施設の方から「介護職員の負担を軽減できないか」というご相談をいただいたことがきっかけでした。実は、私自身の母も介護施設でお世話になりました。現場の職員の方々のご苦労や、ご家族としての不安や心配を身をもって感じていました。
介護施設で働く方々と、そこにご家族を預ける方々、その両方の “困りごと” を少しでも解決したいという思いから、「パルスハートバンド」は課題解決型の製品として生まれました。
社会的にも、介護の現場は大きな課題を抱えています。厚生労働省は「介護ロボットの開発・普及の促進」を重点施策として掲げており、介護テクノロジーによる見守り支援の導入を推奨しています(出典:厚生労働省「介護ロボットの開発・普及の促進」)。実際、北九州市の令和6年度調査によると、介護保険施設の約53%がすでに介護ロボットを導入しているという結果も出ています。
一方で、施設の規模や予算、職員のITリテラシーなどによって導入が進んでいないケースも多く、まだまだ普及の余地は大きいと感じています。だからこそ、私たちは「パルスハートバンド」をより多くの現場に届けたいと考えています。
現在、無償提供を含む支援プログラムの計画も進めており、必要とされる現場に、必要なタイミングで、安心を届けられる仕組みづくりを目指しています。

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