釣り用水中ドローン「FishingRoid」で新しい釣り体験を提供する

株式会社フルトン
代表取締役 伊藤和徳

水中ドローンによる海洋調査に貢献

水中ドローン

─補助事業の成果である製品・サービス・技術等について教えてください。

弊社は、釣り用水中ドローン「FishingRoid」を開発しました。これは、釣り+ドローンによる新しい体験を提供するものです。

水中は電波が届かないため、GPSを付けても位置が分かりません。そのため、水上ドローンとの組み合わせで、データを取得するという仕組みになっています。

特徴は、ドローン自体で魚を発見し、釣り上げることを可能にしていることです。魚がどのように餌に食いつくのかを見ることができます。操作用スマホアプリの映像伝送システムは、遅れが最小となる工夫を行い、物体認識機能も付加でき、特定の魚影を追うことも可能です。もちろん、釣り以外の水中ドローンとしても扱えます。

深度50メートル以内、4ノット程度の推進力。カメラ、水深センサー、水温センサーを備え、アクションカメラなども設置可能です。また、アタッチメントも多数の組み合わせがあります。

ものづくり補助金は、機体開発と操作アプリ開発のために活用させて頂きました。

水中ドローンの映像

─それは世の中にどう役に立つとお考えですか?

釣り好きの人たちに、水中ドローンを活用した新たな釣り体験を提供できます。

実は、開発に至ったそもそもの理由は、海洋調査のためでした。

私が慶應大学 SFC 研究所のラボで活動していた際、水中ドローンを使って海洋調査ができないかという相談がありました。水中ドローンによる海洋調査は可能ですが、人間が行うには費用もかさみ、広範囲で展開するのは無理があります。

そのため、大勢の人たちにデータを集めてもらう仕組みを作りたいと考えました。そこから生まれたのが「FishingRoid」です。今は、スマホアプリの中に位置情報と水温、水質などのデータが溜まる形ですが、最終的にはクラウド上に収集できればと考えています。なので、釣りを楽しみながら海洋調査の役にも立ちます。

水中ドローン

─競合と比べて優位性は何でしょうか?

国産の水中ドローンは、深海用のものがありますが、浅い海域で、レジャー用途のものはほぼ、中国製です。国産で使い勝手の良いものがないことから、開発がスタートしました。また、釣り機能に特化した水中ドローンは他にはありません。

未開拓市場を様々な方と切り拓いて行きたい

─どのような使用シーンをお考えですか?

現在は未だ販売価格は200万円程度と高価なため、個人ユーザーではなく、漁業関係での活用やレジャー施設での活用を考えています。

漁師の方々には、興味を持って頂いています。漁師の方々は、50~60万円する中国製の水中ドローンを購入されて活用されている方々も増えてきました。海に面したていたり、プールを持つレジャー施設などでは新しい体験を創出することができると思います。釣り用水中ドローン「FishingRoid」は、今後新しい体験を生み出すと思います。

水中ドローン

─どのような場所・人に使ってもらいたいとお考えですか?

レジャー用では、クルーザーを保有する富裕層や、釣り船を運用している会社様など。変わった釣り体験をしてみたいという方に適しています。

─どのようなバイヤーとマッチングしたいですか?

レンタルでリリースする予定でもあります。機体のメンテナンスをお客様にお願いするのは難しいためです。そのため、釣りができる場所を保有している施設様と組んでやって行きたいと考えています。

まだ、市場未開拓なため、手探りで、様々な方にアプローチしたいと考えています。また、「このような活用方法がある」というお話もできれば、と考えています。

─今後の展望を教えてください。

使い勝手やメンテナンス性を向上させたいと考えています。家庭電源で充電しやすくするとか。また、海で使用するため、塩害で壊れやすくなります。壊れづらいようにするなど、細かい部分を詰めて行く予定です。遠隔操作のシステムも開発中です。

現在のアタッチメントは釣り竿の釣りの仕掛けです。他にもマニピュレーターのようなロボットアームや、ハサミのようなものを付けて、水中にあるものを切れるアタッチメントもあります。今後は釣りの撒き餌を効率的に撒くためのアタッチメントの開発を行う予定です。

海洋調査を行い、海洋環境の変化を食い止めたい

代表

─御社の概要や特徴、事業内容を教えてください。

弊社は、慶應大学 SFC 研究所のラボから生まれたスタートアップです。海洋環境の調査全般を、水中ドローンを活用して展開することを目的にスタートしました。

今は、水中ドローンを広げる活動として、水中ドローンをエンタメやレジャーに浸透させようとしています。

水中映像

─どのような背景・目的で本事業に取り組んだのですか?

海洋環境が、急激に変化しています。大きな変化は水温の上昇です。要因はひとつに絞れませんが、黒潮の大蛇現象が約8年続いていたので、それも原因だと考えられています。しかし、それが終わっても変わらないため、日本全体の気温上昇も含め、様々な要因があるのだと思います。

日本だけでなく、アメリカの西海岸、地中海、大西洋なども海洋環境が変化しており、今後、どうなるかを予想できる人はいません。海水温が上がると磯焼けや今まで取れていた魚介類が取れなくなるということも起こります。漁師さんは漁法の転換が必要かもしれませんし、我々の食卓で並ぶ魚が変化することを受け入れて行く必要に迫られるかもしれません。

弊社は、海洋調査を行い、変化を把握していこうとしています。海の変化は、陸以上に分かりづらいものです。「FishingRoid」で水中を撮影すると、その海域では見ない魚がカメラに映っているとか、海水温の明らかな変化とか、そういうことが分かって来ると社会的な課題として注目されて行くと考えています。

出展情報

Data

出展物の業種
製造・加工テクノロジー
補助事業実施年度
令和元年度
補助事業計画名
「海にも目を」 釣り用海中ドローン開発を通じた日本の海洋環境の保護

企業プロフィール

Profile

社名
株式会社フルトン
創業年月
2022年4月
代表者
伊藤 和徳
本社所在地
〒239-0847 神奈川県横須賀市長井3丁目14-8
TEL/FAX
080-4004-8375
ホームページ
https://fullton.ink/
資本金
820万円
従業員数
1名
取扱製品
ドローン(水中・水上・陸上)

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