
モーターは、電力を動力に変換する装置ですが、電力のすべてが動力に変換されるわけではありません。変換過程で、投入電力の数10 % 程度が失われています。弊社は、デュアルハルバッハ配列を応用し、損失がわずか数%の超高効率モーター(電動機)・発電機を開発しました。開発した低回転用発電機は、実用回転数60rpm程度で、50W以上発電できます。
この発電機をフィットネスバイクに組み込むことで、運動の成果を電力として活用できるようになります。また、ドローンモーターにすると、飛行時間を約150%伸ばすことが可能となります。
原理の元となるハルバッハ配列は、磁石のN極とS極を、90度向きを変えて並べることで、磁石の片側に磁界を集中させ、磁力を強めることができます。この配列をデュアル、つまり2列向かい合わせて並べたのがデュアルハルバッハ配列で、磁力は単体のハルバッハ配列の2倍になります。
ハルバッハ配列は1980年代に物理学者のクラウス・ハルバッハによって、粒子加速器でビームを収束する目的で開発されました。近年では永久磁石式MRI、電動機、リニアモーター、磁気浮上式鉄道、自由電子レーザー発生用のアンジュレータなどでの利用が増えつつあります。
デュアルハルバッハ配列には3つの特徴があります。磁力を100%活用できる。内部配列、外部配列の間に強力な磁場を形成することができる。磁場の中にコイルを置くため、普通のモーターにある鉄心(コア)を使わないコアレス構造であること。コアがあると、コギングと呼ばれる現象で電力が消費します。このことで、同じ力を出すときの電力の消費量が少ない、電池の寿命が長くなる、といったメリットが生まれます。
ものづくり補助金は開発に活用させて頂きました。試作品製作のために部品を購入するなどさせて頂きました。

通常のモーターが、投入電力の数10 % 程度が失われているのに対し、弊社の超高効率モーター・発電機は、損失がわずか数%。そのため、省エネにつながります。
また、中小型の風力発電機に取り付け、非常時のトイレや避難小屋の情報ステーションなどに設置すると、災害時に効果を発揮します。
ハルバッハ配列の磁石配列を商品化されている会社は、現状、知る限りありません。数十社が開発にトライしている状態です。その意味では優位性があると考えています。

デュアルハルバッハ発電機は、ドローンモーターや風力発電機、発電機内蔵、蓄電可能なフィットネスマシンなどで活用することができます。
例えば、ドローンに活用すると飛行時間が向上するため、送電線のメンテナンスや山の上に重量物を上げる際、人力で上げるのは大変だけど、ヘリコプターで上げるのは高くつく、といった場合に役に立ちます。
また、今のドローンモーターは、ほぼ、中国製です。日本製のドローンモーターが欲しいとドローンメーカーさんからリクエストを頂いています。
デュアルハルバッハモーター・発電機の活用方法を見出せる会社様とマッチングしたいと考えています。「こういうふうに使えるんじゃないか」と言った提案が頂けると嬉しいですね。協業するとか、お互いに何かしらの技術を持ち合い、新しい活用方法を見つけるとか、コラボレーションが出来ればと考えています。
ものづくり補助金によって超高効率モーター・発電機の性能を上げることができました。次は、一つでも二つでもいいので、まずは、世の中に実績を作ることが大切だと思っています。会社の規模も大きくはないので、スモールスタートで実績を積み上げて行きたいと考えています。

弊社は、昭和51年に設立しました。最初は、基板の実装やチケット発券機などを手掛けていたと聞いています。
現在は、電子制御・マイコン応用機器分野を中心に、ソリューション型のビジネスを展開しています。お客様のニーズを的確に捉え、アイデアを具現化し、企画~設計~製造までトータルでご支援しています。
ご提案に際しては、環境を配慮した製品又は商品、品質及び安全性、メンテナンス性に重点をおいた製品設計を心がけております。
今後は、ますます利用が増大していく再生可能エネルギーを、最大限利用できる環境関連機器を中心とした商品を展開する考えです。
デュアルハルバッハの開発は、弊社の会長・芦田拓也が、2012年より工学院大学と連携して高効率発電機の研究開発に取り組んだのが始まりです。デュアルハルバッハの効率の良さに惹かれたと聞いています。
今、全世界の消費電力のおよそ半分はモーターが占め、日本だけでも1億台ものモーターが稼働しているといわれています。モーターの効率を高めることができれば、大幅な省エネが実現できます。モーターを使用している電気自動車やドローンなど、新たな製品も増えています。超高効率モーター・発電機による高効率化で、航続距離や稼働時間を延ばすこともできます。超高効率モーター・発電機には、世界を大きく変える力があると考えています。

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