赤外線カメラを使用し、
建物の問題点を発見する技術を確立

株式会社貴船インスペクション
代表取締役 梶山 将生

赤外線カメラを用いて、地上と空中のハイブリッドで調査を実施

赤外線の映像

─補助事業の成果である製品・サービス・技術等について教えてください。

弊社では、赤外線カメラを使用し、建物の問題点を可視化して発見する、精度の高い技術を確立しました。

地上から手持ち赤外線カメラを用いて赤外線装置法(建物の表面温度分布を測定し、浮きや剥離などの劣化箇所を診断する非接触・非破壊の調査方法)を行います。また、高所に関してはドローンに搭載した赤外線カメラでアプローチをします。地上と空中のハイブリッド調査を実施しております。

6.8K、9.5K、12Kと高解像度の可視カメラで撮影を行うことで、赤外線で検出・可視化します。そのため、仮設物を設置して不具合箇所近くへ行く必要がなく、どのような状態かを同時に確認することができます。

ものづくり補助金で、赤外線カメラを購入させて頂きました。

─それは世の中にどう役に立つとお考えですか?

建築業界では、不具合があるのなら直ぐに直しましょう、とする風潮があります。「調査コストを掛けるくらいなら修繕をした方がいい」というのが修繕を請け負う会社の言い分です。漏水の場合は、「屋根全面を防水すれば漏水は止まります。外壁を直せば止まります」と経験値、感覚で計画を立て、建物全体に大掛かりな仮設足場やゴンドラを設置し、大きな予算を使って修繕に取り掛かります。

しかし、工事が終わったのに漏水が止まらない。または、外壁の劣化状況が想定より酷い場合は予算オーバーや工事期間の延長となることが稀にあります。漏水は止まらず、幾度も補修を重ね、修繕費は膨らむ。最初にしっかりと調査をした方が良かった、結果的に安価になるというケースが多数です。

弊社の技術は、建物の状況や状態を赤外線カメラにより目に見えない不具合を非接触で可視化するものです。また、「大掛かりで全面的な足場は要らない。緊急性のある所だけを先に修繕して予算を抑えたい」といったニーズにも最適です。

ポイントは、

・建物全体をスクリーニング調査し、立地条件を加味して、緊急性の高い箇所を検出・指摘。部分的な修繕を適宜行うことで第3者への被害等を事前に防ぐことができ、予算を抑えることができる。

・適宜調査を行うことで、大掛かりな工事をせずとも的確な工事を実施することができる。

・仕上げ材(タイル・モルタル)の剥がれそうな箇所を事前に検出できる。

・雨水や設備による漏水の入り口や水路を検出できる。

経験値や感覚での調査や補修ではなく、温度差による可視化で根拠のある指摘が可能です。

赤外線の分析結果

─競合と比べて優位性は何でしょうか?

全国の同業社で、弊社が補助金で購入した高性能な赤外線カメラを所有している会社は多くはありません。

弊社の強みは、高性能の地上赤外線カメラと、放射率が下がる高所箇所へのアプローチとして赤外線カメラ、高解像度可視搭載ドローンを併用し、精度の高いデータを取得して、調査・解析することができることです。

長年、建物修繕に携わってきた経験と、全国でも稀な赤外線解析能力で、精度の高い調査報告書、サービスを提供しています。技術は全国でも有数という認知を頂き、行政、企業、展覧会にてセミナーを実施させて頂いています。

建物を所有し管理している企業様とマッチングしたい

ドローンを操縦する人

─どのような使用シーンをお考えですか?

漏水が発生している現場の調査や、竣工から10年、15年、20年と、築年数が経過している建物の定期点検・診断。大規模修繕前の予算計画、補修方法の選定のための調査を行っています。

事例のひとつとして、名古屋にある企業様の大型独身寮の調査を手掛けたことがあります。

外壁の面積が8000平米ぐらいの建物で、従来は足場を組み調査をし、調査が終わったら足場を解体してという流れで行い、調査の予算が3800万円近くかかっていたのが、弊社の調査では300万円くらいまで下げることができました。調査期間も2ケ月から4日間に短縮。修繕も緊急性の高いところだけに部分的な足場、高所作業車にて対応したので、当初の工事予算から1/5になりました。

また、名古屋にある大きな工場では、ドローンを使って調査を行いました。その工場は老朽化し、増改築を 繰り返していたため図面もない状態でした。現状を的確に把握することが可能なため、そのような場所ではドローンを活用することが効率的です。

ビルの外観

─どのような場所・人に使ってもらいたいとお考えですか?

建物を所有し、管理している企業様からの調査依頼が多いです。漏水は突然発生します。定期的にメンテナンスを行うことで、的確な修繕を計画・実施するための適切な調査を提供しています。

何かあってから対応する事後対応ではなく、予防保全の観点 から定期的にメンテナンスをして頂く方が効率的と考えています。

近年では、異常気象から集中豪雨が頻繁に発生しています。被害が起きてから対処すると業務に支障が出ます。

修繕を適切に計画するためには、定期的に1~3年に1度、 調査されることをお勧めしています。

─どのようなバイヤーとマッチングしたいですか?

建物を所有し、管理している企業様とマッチングしたいと考えています。

また、施設管理様、防災センター、管理センターなど、管理業務をされていらっしゃる会社様ともお話をしたいと考えています。

─今後の展望を教えてください。

法定義務で行う調査だけでなく、調査の必要性、優位性を認識して頂き、予防保全の観点や修繕工事をする前の予算計画の調査等の実施の定着を浸透させたいと考えています。

問題が起きてから対応するのでは遅い場合もある

プレゼン風景

─御社の概要や特徴、事業内容を教えてください。

弊社は、建築物の外壁・屋根への劣化や剥離の可能性の検出、それにより引き起こされる漏水等を調査し、報告書としてまとめることを主たるサービスとしています。

建物調査といえば、手の届く範囲、立ち入り可能な範囲のみの検査で、無償や数十万の予算の調査で全体の10~20%を見ただけで、価格の大きな工事を実施していることがあります。

弊社の調査方法は、赤外線装置法による地上からの赤外線カメラ撮影と、高所からのアプローチで赤外線カメラ・高解像度可視を搭載した産業用ドローンを用いて行います。立ち入り可能で、手の届く範囲の打診・目視と大掛かりな仮設物を使用せず、立地条件によりますが、建物の60~90%を調査することが可能です。各調査方法の良いとこ取りをしたハイブリッド調査として提供しております。

また、ご依頼者の各ニーズ(予算やどこまでを確認したい、知りたい等)に寄り添った調査方法の提案が可能です。

─どのような背景・目的で本事業に取り組んだのですか?

ライフラインの老朽化で道路が陥没する事故も起きています。問題が起きてから対応するのでは遅い場合もあります。

私自身、建物の新築や管理会社の技術者として15年間携わり、調査、修繕計画、見積、提案、施工管理、アフターと建物の維持管理について知見を深めてきました。

建物への予防保全の重要性を日々感じていたため、2017年に建物に関する、建築、設備全てにおいて点検・調査・診断をする当時では珍しい調査専門会社を設立しました。

今では当たり前になっているドローンの資格を2017年に取得し、調査をしておりましたが、日々調査技術を試行錯誤しているときに、赤外線カメラを知り、知れば知るほど奥の深いテクノロジーであること、正しく活用・展開をすればパフォーマンスの高いものを提供できることから今に至ります。

出展情報

Data

出展物の業種
素材・環境・インフラ
補助事業実施年度
令和元年度
補助事業計画名
最新赤外線調査による、市場ニーズに追従するサービスの導入

企業プロフィール

Profile

社名
株式会社貴船インスペクション
創業年月
2005年1月
代表者
梶山 将生
本社所在地
〒451-0042 愛知県名古屋市西区那古野1-8-9 ナゴノK2ビル5F
TEL/FAX
052-589-1388/052-589-1387
ホームページ
https://www.kifune-in.co.jp/
資本金
300万円
従業員数
1名
取扱製品
赤外線カメラを活用した建物調査

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