横編み機を導入し、効率的に帽子を生産

株式会社ヨシダ 
常務取締役 吉田香里

阿蘇山系の水で染色する、風合い豊かな帽子が特徴

─御社の主な事業内容を教えてください。

1983年に創業して以来、国産帽子の製造と販売を行って来ました。本社が大阪府に、営業所が東京都にあります。また、工場が熊本県で稼働しており、社内で一貫生産できる体制となっております。
主力となっているのがメリノウール100%のフラミンゴバスクベレーです。ベレー帽のシェアは国内随一で、品質の良さが自慢です。染色には阿蘇山系の地下水を使用しています。これは当社のみの特徴です。この熊本の世界が誇る地下水で染色することで、柔らかい風合いを出すことができます。

今まではOEM (他社ブランドの製品を製造すること)が中心だったのですが、2年ほど前からオリジナルブランド「Flamingo(フラミンゴ)」を展開しています。

─どのような背景・目的で本事業に取り組んだのですか?

労働力人口の減少にともなって、製造業は「キツイ」イメージが根強く、若い世代から応募が見込めない状況が続き、働き手の確保が難しいという課題がありました。そのため、ものづくり補助金を活用して新しい編み機を仕入れ、生産効率を上げると共に人材不足を補うこと。また、時代の要求する製品開発をすることです。

病気で帽子を被る人にもオシャレを楽しんで欲しい

─展示会の出展物(ものづくり補助金を活用して開発した製品・サービス・技術等)について教えてください。

平成25年度に「帽子を中心とした斬新なデザインの編立技術確立によるブランド向け商品の試作開発」のために、横編み機(ホールガーメント10ゲージ)を導入しました。この機械は無縫製で編めるため、縫製ミシンが要りません。そのため簡素化でき、少ない人数でも生産できるメリットがあります。また、無縫製で柄組(柄を描くこと)もできます。

従来の機械では縫製により、柄組を行うと柄がずれてしまう欠点があったのですが、この機械ではそのような点も解消できます。これにより、質の高い製品を作り出すことができるようになりました。
新しい導入機械1台で、ベレー帽なら月に最大で約600個が生産できます。夜も動かすことで生産性を向上させてもいます。既存の1台はベレー帽を作っており、導入した1台は新しい製品、例えばスヌードやマスクなど、従来取り組んでこなかった製品の試作品を作るなどに有効活用しています。

─競合と比べての優位性は何なのでしょうか?

全工程社内一貫生産が実現する、豊富なバリエーションと自由な発想のデザインです。また、染色の技術の高さに加え、天日干しにこだわり、風合いを追求しています。ひとつひとつの製品に手間をかけて制作するため、品質の良さや、もの作りの情熱は他には負けない自信があります。

─それは世の中にどう役立つのですか?

従来の機械では、柄組をした成型帽子は、柄を入れると縫製するしか方法がなく、被るとチクチクするという問題がありました。形を整えるためにポリエステルの糸を入れるためです。そのため、病気で帽子を被る必要がある人は、チクチクしない無地のファッション性のない帽子しか選択肢がありませんでした。でも、女性はもちろん、誰でも病気があってもオシャレをしたいものです。導入した横編み機は、柄組をしても無縫製でオシャレな帽子を楽しむことができます。

─どのような使用シーンを考えているのでしょうか?

横編み機は帽子だけでなく、マスクも作れます。天然有機系デオドラント加工「ロンフレッシュ」の糸を使用した無縫製帽子とマスクは、抗菌作用と消臭効果が期待でき、皮膚への安全性に配慮しています。また、絹糸100%セリシンや炭素繊維の糸を使用した、機能性を重視した商品も開発しています。マスクは「衛生用品」から「おしゃれ」「ファッション」アイテムとして日常品になってくるので、服装やコーディネーに合わせて、「マスク」や「帽子」を着替えるという感じで、おしゃれを楽しんでもらいたいです。

─どのような場所・人に使ってもらいたいと考えているのでしょうか?

帽子はファッションアイテムですが、衣服と違って必需品ではありません。芸能人の方が帽子を被ると、人気が出て売れることもありますが、なかなか大ヒットするという商品ではありません。
ですが、帽子でHAPPYな気分になった方々も多くおられます。帽子はファッションアイテムだけではなく、帽子を使ってコミュニケーションをとったり、帽子を被ることで、周りを楽しませることもできます。あらゆる人々に、帽子を手に取ってもらい、「帽子でHAPPYに!」なってもらいたいです。

SDGsを取組ながら新製品を開発して、アピールして行く

─どのようなバイヤーとマッチングしたいとお考えですか?

環境や社会に配慮した商品(サステナブルな商品)に対して、同じ方向性を持ち、一緒に商品化していく方々とマッチングしたいです。また、医療品にはおしゃれな帽子がないと思っている方に、手に取ってもらえるよう、医療関係や健康ヘルス関係、医療施設にある販売店などとも取引が出来ればと考えています。

─補助事業について、今後の展望について教えてください。

長年の経験とノウハウを生かし、新たな設備を整えることで、日々変化する消費者の志向に合った「品質」「環境」「独自性」をモットーに、環境にやさしいもの作りをめざし、「人や時代が要望する」新製品を開発していきたいと思っています。また、オリジナルブランド「Flamingo(フラミンゴ)」では若い人たちにアピールできる動画の作成や、オンライン展示会にもチャレンジし、世界に向けたプロモーションにも力を入れたいと考えています。

出展プロフィール

出展物の業種
医療・生活・ヘルスケア
補助事業実施年度
平成25年度
補助事業計画名
帽子を中心とした斬新なデザインの編立技術確立によるブランド向け商品の試作開発

企業プロフィール

社名
株式会社ヨシダ
創業年月
昭和58年10月
代表者
吉田照陳
本社所在地
〒537-0021 大阪市東成区東中本2-6-13
TEL/FAX
06-6981-0139/06-6981-0090
WEBサイト

https://yoshida.company/
https://www.flamingo-beret.com

資本金
1,000万円
従業員数
35名
取扱製品

帽子全般・マスク・スヌード