畳で未来をつくる。水害で困っている人のために

有限会社森吉商店 
代表取締役 森吉久志

徳島県下では初めてとなる畳製造機器を導入

─御社の主な事業内容を教えてください。

当社は徳島県阿南市にある会社です。畳製造を中心に、建材床製造・畳材料卸、古畳収集運搬、襖・障子・網戸張替を行っています。
ちょっと変わっているのは、作った畳をユーザーに届けるのではなく、畳屋さんに卸す、畳製造メーカーということです。
昭和23年に祖父が創業したのですが、元々は畳の材料を卸すことを本業としていました。その後、畳製造機器を導入しましたが、昔からの延長で材料だけでなく完成品も卸していたんです。
多いときは1年間で約1万枚の畳を製造しています。

─どのような背景・目的で本事業に取り組んだのですか?

通常の畳は厚さが約50~55mmですが、15年ほど前から約15mmのものが増えてきました。これは新築でフローリング設計の部屋に薄畳を敷くことが多くなったためです。しかし、徳島県下では厚さ約15mmの縁無し薄畳を製造できる畳製造機器を持っているところはありませんでした。そのため手作業で製作していたのですが、なかなか綺麗には仕上がらないという課題を抱えていました。薄畳を製作すれば取引先の畳屋さんも喜ぶし、お客様も品質が向上するので喜ぶと考え、ものづくり補助金で畳製造機器を1台導入することにしました。

水害にあっても困らないように「めっちゃ洗える畳」を開発

─展示会の出展物(ものづくり補助金を活用して開発した製品・サービス・技術等)について教えてください。

当社では自社ブランド「MORIYOSHI TATAMI」を2018年に立ち上げ展開しています。導入した畳製造機器を活用して、2020年から製造を始めたのが、自社ブランド製品の第二弾「めっちゃ洗える畳」です。これはその名の通り、水で洗える畳です。 水害にあわれた現場にも行くのですが、水を吸い込み濡れた畳は干しても乾きにくく、夏場では数日で大量のカビが繁殖します。

そのため再利用できず、処分しないといけません。廃棄された畳は災害ゴミとして山積みになります。また、家では畳がなくなり、板間での生活を余儀なくされ、困っている人を多く見てきました。畳が洗えてまた使えるようになれば、次の日常を始めることができ、元気になると考えたんです。
導入した畳製造機器はプレス機のようなもので、畳用の材料を圧着することで畳を製造します。現在畳業界に流通している材料で耐水性のあるものを使えば、洗える畳ができるのではないかと考え、いろんな材料を組み合わせて開発しました。

─それは世の中にどう役立つのですか?

私の理念は、「畳を通じて未来を考える」というものです。「めっちゃ洗える畳」があれば、水害でも畳が洗えるので、新しく購入する必要はありませんし、ゴミが出ることもありません。畳で未来を作ることができます。
日本は近年、災害が多くなっています。ゲリラ雨によって川が氾濫する、台風で浸水するなど、多くの人が被害にあわれたというニュースを目にするようになってきました。これは特別なことではなく、誰の身にも、いつ起こっても不思議ではありません。いざという時のために役に立つと考えています。

─競合と比べての優位性は何なのでしょうか?

洗える畳は他社からも出ていますが、当社の「めっちゃ洗える畳」は、普通の畳として満足していただける商品です。また、他社では水害のときに便利という情報発信をしていません。当社ではいざという時のために備える準備として「めっちゃ洗える畳」を積極的に発信しています。

─どのような使用シーンを考えているのでしょうか?

「めっちゃ洗える畳」の進化系として、抗菌タイプの商品をリリースしました。例えば、旅館や飲食店で、従業員やお客様が誤って畳を汚した時、洗えばまた使えますし、抗菌しているので衛生的です。次のお客様に迷惑をかけることもありません。多くの人が訪れ、畳の汚れが激しいというところには適しているといえます。

─どのような場所・人に使ってもらいたいと考えているのでしょうか?

台風の通り道や、川や海の近くの家。日本風の旅館や飲食店などでの利用を考えています。最近の家は洋風になり、畳が減っています。畳をもっと使ってもらえるようになりたいですね。

機械を活用して新しい製品を開発する

─どのようなバイヤーとマッチングしたいとお考えですか?

一般家庭や、旅館、飲食店はもちろん、建築関係やリノベーション関係のメーカー、工務店、ゼネコンとマッチングしたいと考えています。普通の畳ではない、プラスアルファーの提案をするときに活用して頂きたいと考えています。

─補助事業について、今後の展望について教えてください。

導入した畳製造機器で「めっちゃ洗える畳」以外の新しい商品を開発したいと考えています。今、住宅では畳よりフローリングが好まれています。フローリングに代わるまったく違った商品が出来たらいいなと考えています。別の素材でいろいろ試してみて面白い製品が作れるよう、チャレンジしたいと思っています。

出展プロフィール

出展物の業種
環境・建設・エネルギー
補助事業実施年度
平成25年度
補助事業計画名
徳島県下ではできなかった「厚さ15mmの縁無し薄畳」の機械製造

企業プロフィール

社名
有限会社森吉商店
創業年月
昭和23年1月
代表者
森吉久志
本社所在地
〒774-0042 徳島県阿南市横見町長岡102
TEL/FAX
0884-22-0093/0884-28-7373
WEBサイト

http://moriyoshi-tatami.jp/

資本金
500万円
従業員数
6名
取扱製品

畳、畳材料、古畳処分、襖・障子・網戸張替