中小企業 新ものづくり・新サービス展

株式会社中金(大阪)

「性能だけでなくデザイン面でも利用価値のあるアルミニウム皮膜を開発」

株式会社中金 生産技術課 課長 大島 裕一郎

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出展プロフィール

会場
大阪
出展ゾーン
鉄鋼・金属製品
ものづくり補助金の事業計画名
平成24年度 高硬度・高耐摩耗性 陽極酸化皮膜の開発と現場導入

オリジナルの技術を開発したい。その思いが生んだ新規プラズマ電解処理技術

御社の主な事業内容を教えてください。

航空・宇宙・防衛用アルミニウムおよびアルミニウム合金部品の表面処理加工を主な事業内容としております。

本展示会の出展物(ものづくり補助金を活用して開発した製品・サービス・技術等)について教えてください。

プラズマ電解処理を施し、高硬度・高耐摩耗性を持ったアルミニウム陽極酸化皮膜を出展いたします。アルミニウムだけでなく、チタンやマグネシウムなど様々な金属に性能を付与することが可能です。

高硬度・高耐摩耗性陽極酸化皮膜は、どういった点で新しい技術なのでしょうか?

この陽極酸化皮膜は、平成24年度の「高硬度・高耐摩耗性 陽極酸化皮膜の開発と現場導入」という事業で開発したものです。酸化皮膜とは、簡単に言えば金属の表面を覆う膜のことです。金属の表面を膜で覆うと、膜で覆われていない金属に比べその金属の摩耗性や耐久性を向上させることができます。もちろん、膜にも弱い膜と強い膜があり、強い膜の方がその効果は高いです。

つまり、より摩耗性や耐久性を向上させるために強い、言い換えると「硬い皮膜」を生成させることが重要なのですが、現在、硬い皮膜を持つことで代表されるのは、硬質アルマイトという陽極酸化皮膜です。それよりもさらに硬度が高く、耐摩耗性のあるものが高硬度・高耐摩耗性陽極酸化皮膜になります。もともと弊社では、硬質アルマイトよりも硬く耐摩耗性のある皮膜を作るために、ドイツで生まれた技術を使用していました。ただ、弊社オリジナルのものを開発したいという思いを強く持っていました。そこで、新規プラズマ電解処理技術を開発いたしました。

一般的なプラズマ電解処理は、高い電圧をかけることによって硬い皮膜を生成させていました。新規プラズマ電解法は低い電圧でも従来と同等に高性能な皮膜ができるようになるため、環境にも優しい技術となっています。

高硬度・高耐摩耗性酸化皮膜を開発しようとしたきっかけはありますか?

硬度を始めとしたアルミニウムの質に関して、お客様から求められるものは年々向上しております。こうした背景を受けて、ご期待に応えるべく、より硬く、より耐摩耗性のある皮膜を開発しよう、と考えるようになりました。

ものづくり補助金は何に活用されましたか?

電源設備の整備と、冷却装置の導入に使用しました。かなり高い電圧でプラズマ電解処理を行うので、電解液を冷却するための装置は必要不可欠です。また、試作を評価するための顕微鏡や、カットして断面をチェックするための装置などを購入しました。

ものづくり補助金を活用しようと考えた理由は何ですか?

弊社独自の技術を開発しよう、と決めた際に問題となったのが、電源です。まずは電源自体を見直さないと、設備の導入をすることができませんでした。しかし電源の整備となると、設備の導入以上に費用がかかります。そこで、ものづくり補助金を活用できないかと考えたことがきっかけです。

開発の中で生まれた予想外の特性でデザイン面での注目も

高硬度・高耐摩耗性陽極酸化皮膜の開発にあたって困難だった点は何ですか?

皮膜を生成させるために電解液という液体に金属を漬けるのですが、その電解液に漬ける時間など、最も良い条件を探すのには苦労しました。また、試験中は皮膜の剥離にも悩まされました。どう改善していこうか、ひたすら試行錯誤してましたね。

困難だった点を乗り越えるために工夫した点は何ですか?

先ほどの最適な条件については、結局何度試してみても改善することができなかったんです。そこで、最初に立ち戻って根本的に見直しを図り、別の電解液を導入することにしました。それでやっとうまくいった形です。

開発にはどれくらいの期間がかかりましたか?

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陽極酸化処理皮膜生成作業風景

具体的な報告を出すまでは、約1年かかりました。ところが、企業様によって「高硬度・高耐摩耗性陽極酸化皮膜」に対して求めている性能は違います。そのたびに改良をしていくので、今現在も開発は続いています。
お客様の方でも試験・評価をされるのですが、中には弊社とは全く違った基準での評価がくだされることもあります。そのような評価をいただく度に、その企業様にマッチするように調整することもあります。

補助事業について、今後の展望をお聞かせください。

弊社が開発した新しい皮膜なので、我々も今後どのように使用されていくのかは分からない状態です。企業様にご紹介していく中で、新たな使い道が発見できることを期待しています。
また、高硬度・高耐摩耗性陽極酸化皮膜は、これまでのアルミニウムにはない特性を持っています。開発の中で、硬い皮膜をつけるために酸化アルミニウムの皮膜の結晶性を高めたのですが、ツヤのない質感の皮膜ができあがったのです。従来、アルミニウムのツヤのない質感は、海外製の特殊な塗料を使用しないと作成することができないんですね。
この外観に興味を持っていただくこともあり、これは完全に予想外でした。海外製の塗料を使わなくても作成できるので、コスト面でも売り込んでいけるのではないかと考えています。

本展示会ではどんなことを期待していますか?

今までお付き合いしていたのは、航空・宇宙業など大手の重工業産業でした。しかし、せっかくの様々な業種の企業が集まる展示会ですので、私たちの思わぬ方向で興味を持っていただけることに期待しています。

企業プロフィール

出展者名
株式会社中金
創業年月
1950年
代表者
長尾 泰幸
本社所在地
〒613-0034 京都府久世郡久御山町佐山新開地51
TEL/ FAX
0774-43-5651/0774-44-4084
Webサイト
http://www.kk-chukin.co.jp/
資本金
4,700万円
従業員数
67名
取扱製品
航空・宇宙・防衛用アルミニウムおよびアルミニウム合金部品の表面処理(陽極酸化皮膜処理、硬質陽極酸化皮膜処理、化学皮膜処理)

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