国産材を使用した安心安全な製品を届ける

星野工業株式会社 
代表取締役 星野詠一

子どもたちのために安心・安全な環境家具を製作

─御社の主な事業内容を教えてください。

昭和20年の終戦すぐに創業した会社で、現在は家庭用木製品の製造販売、建具材、建築材、原木の販売を行っています。 当社は栃木県鹿沼市にありますが、栃木県は県土の約55%が、鹿沼市は約70%が森林です。そもそも、鹿沼市は日光東照宮造営のため、全国各地から集まった宮大工や建具職人の宿場町でした。豊富な木材資源と宮大工や建具職人たちの技術の伝承によって木工が盛んな土地になったという背景があります。
当初、桶屋として創業しました。その後、高度成長期によって日本の生活様式が変化したことを受け、キッチンやバス、インテリア用品などの家庭用雑貨を中心に展開するようになりました。

現在は環境にも配慮しながら、間伐材を含む木材を有効利用し、次世代に森林を引き継ぐことを役目と考えて取り組んでいます。

─どのような背景・目的で本事業に取り組んだのですか?

環境問題や、平成20年から導入された「とちぎの元気な森づくり県民税」への取り組みが切っ掛けです。財源を元に森を間伐し、そこから出た桧材を使って制作した、安全テストもクリアした学習机や椅子、ロッカーなどを県内の幼稚園、小・中学校に提供していました。
この、木目や節を活かした、木製品ならではの温かなぬくもりと肌触りがあり、環境にも優しい「環境家具」をもっといろんな場所で活用して欲しいという想いから「国産材を使用した遊具やテーブルウエア等」をものづくり補助金を活用して始めることになりました。

地球環境への貢献と共に木育で子どもをはぐくむ

─展示会の出展物(ものづくり補助金を活用して開発した製品・サービス・技術等)について教えてください。

自然に触れる機会が少なくなってきた現代の子たちにとって、天然木材で遊べる場があることは情緒を育てる上でも貴重な機会となると考えています。そこで、独自の木取りや加工法で子たちたちが安心・安全に木材に触れられるよう、国産材を使用した製品を製作しています。
日頃から木に触れ、木を使い、木を考え、木に対する親しみや木の文化への理解をはぐくんでもらうことがコンセプトです。

ホテルやレストラン、車・住宅のショウルーム、幼稚園、保育園などで、3m四方の場所に置くことをイメージしており、「MIK (made in kanuma)」というブラントで積み木やテーブル、ジャングルジムから日常品の食器やカップ、テーブルウエアなど様々な製品があります。
ただし、パッケージではなく、自由にセレクトして空間を構成して頂くようになっています。

─それは世の中にどう役立つのですか?

製品は地場の国産材を使っていると明確なので、材料の背景まで子どもたちに教えることができます。「木育」という言葉がありますが、木材利用に関する教育活動に役立ちます。
それに、木に触れると人は落ち着くものです。昨今、「ファーストトイ」が注目されていますが、子どもに与える最初の玩具は木製品が良いとされています。また、知育教材も木で出来たものが好まれています。

─競合と比べての優位性は何なのでしょうか?

小さな木製積み木から大型の木製ジャングルジムまで製作する珍しいメーカーです。
普通は住宅や建物を作る際に余った木材で何か作ろうと考えるのですが、当社は逆です。余った木材ではなく最初から作るものを考えて角材を加工します。当初は小さなものを作っていたのが、段々と大きなものになって行き、現在、アイテム数で言うと約2000アイテムはあります。そのため、材料を余すことなく活用できるので、ロスを出さないことで材料のコストを落とせます。

─どのような使用シーンを考えているのでしょうか?

木を使った施設が増えているので、そういったところで使えると思います。車や住宅のショウルームなどで、3m四方の場所があれば、来場されたお客様の子ども達を遊ばせられる空間が出来ます。木なので鉄などと違って安全です。ちょっとしたイベントでも利用できると思います。

─どのような場所・人に使ってもらいたいと考えているのでしょうか?

鹿沼市は推計人口が約9万人で、2014年から5年間で約4000人も減少しており、2018年に生まれた赤ちゃんは約600人しかいません。そのため、子どもは大切にするなど、我々なりに出来ることに取り組んでいかなければなりません。
また、安い輸入材も増え、価格競争も進んでおり、国産材は厳しい状態です。鹿沼市は良質な木材の産地なので、その資源や、三代目の私が先代から引き継いだ技術や人も残していかなければなりません。
そのような課題を抱えつつ、消費者の立場に立って「こういうものが欲しい」「ああいうものが欲しい」という声を聞いて、必要なものを作って行きたいと考えています。

日本独自の木材による知育玩具も展開

─どのようなバイヤーとマッチングしたいとお考えですか?

建築関係の設計事務所さんなどとマッチングしたいですね。3m四方とはいえ、設計の段階から入らないと導入は厳しいものがあります。最初に空間を確保し、そこに組み込む方が製品を活かせることができます。あとはホテルやレストラン、車や住宅のショウルーム関係などです。
どの商業施設も差別化が困難になっています。そいうところに環境にも子どもにも優しい国産材を使用した遊具やテーブルウエア等はアピールできると思います。また、3m四方で提案していますが、もっと大きなものを作ることもできます。他にも小売業や玩具関係ともお話が出来ればと考えています。

─補助事業について、今後の展望について教えてください。

今以上に「木育」に積極的に取り組んでいきたいと考えています。それに国立競技場や高輪ゲートウェイの駅が木で出来ているなど、木に対する認知も進んできました。そのようなところから「国産材」への人気が広がるのではないかと期待はあります。もちろん、子ども向けの製品はもっと増やして行きたいと考えています。
また、海外にも輸出できればと計画しています。日本の木材を使った、日本独自の知育玩具も提案していきたいですね。

出展プロフィール

出展物の業種
化学・繊維・紙
補助事業実施年度
平成26年度
補助事業計画名
桧・杉間伐材(無垢材)を活用した屋内用キッズ空間の創出

企業プロフィール

社名
星野工業株式会社
創業年月
昭和20年10月
代表者
星野詠一
本社所在地
〒322-0072 栃木県鹿沼市玉田町692-8
TEL/FAX
0289-65-5131/0289-62-7081
WEBサイト

http://www.hoshino-kogyo.co.jp

資本金
3,000万円
従業員数
34名
取扱製品

家庭用木製品、木製家具、木製遊具など木製品全般