医療現場が必要とする高精度な深孔加工を提供する

株式会社ハイタック 
代表取締役 稲田英教

手術工具などの医療器具に取り組む

─御社の主な事業内容を教えてください。

当社はガンドリルマシンの製造・販売と深孔加工の受託を基軸として創業しました。
お客様に高品質な穴加工をご提供できる多種多様な、深孔加工機「ガンドリルマシン」を開発・設計製作し、販売しています。また、その「ガンドリルマシン」を用いて手術工具などの医療機器、航空宇宙関係の部品、自動車関連部品など、さまざまな分野のお客様に高精度な深孔加工を提供しています。

当社の「ガンドリルマシン」の特徴は、穴の細さもそうですが、より深く高精度に削れることです。当社の深孔加工は1mmの穴を40cm開けることも可能で、入り口と出口にずれがほぼない高精度です。そして、開けた穴の内面が綺麗なことも特徴です。
※深孔(ふかあな)

─どのような背景・目的で本事業に取り組んだのですか?

ものづくり補助金は5回ほど活用させて頂いていますが、一貫して穴開け技術の強化に使用しています。
そのなかで今回は、手術工具などの医療器具に取り組む用途でものづくり補助金を活用させて頂きました。複雑な形状の工具を把持するために治具の製作が必要となるのですが、その製作を外注していたのでは時間がかかります。お客様の要求に素早く対応して、高度な深孔加工を可能にする治具を、内製化して開発することが目的でした。

医療機器は日々、進化しており、開発に終わりはない

─展示会の出展物(ものづくり補助金を活用して開発した製品・サービス・技術等)について教えてください。

今回の展示会では、補助事業の成果を生かした、初展示となる数々の新技術を展示する予定です。

・超高難度の手術工具等の深孔加工を可能にした技術展示。
・さまざまな形状の外径切削加工済品への高精度深孔加工。
・従来の工程を変える切削加工技術。
・切削加工の概念を変える世界でも例を見ないΦ1×400Lの小径超深孔加工。

・ガンドリルでは世界最小径Φ0.5でL/D=100越えの極小径深孔加工。
・高精度深孔加工の量産対応技術の展示。

などを考えています。

─それは世の中にどう役立つのですか?

手術工具などの医療器具は多くの人々を救うことに役立ちます。直接、病気が治ったという話は聞くことはありませんが、実際に手術等に使って役に立っていると聞くと嬉しいものです。
また、ものづくり補助金を活用して制作した「ガンドリルマシン」は医療分野以外にも、温度管理をするセンサーを保護するための保護管にも使われます。航空宇宙分野等で、低温~超高温などの厳しい環境下ではそのようなセンサーは剥き出しで使えないので、深い穴を開けて埋め込むとか、測定箇所を狙って肉薄に穴を開けるということがあります。そのような用途にも活用できます。
深い穴を開けることに困っている企業は多く、そのような企業に対して貢献できます。

─競合と比べての優位性は何なのでしょうか?

小径深孔加工の分野では当社がトップクラスだと自負しています。日本で競合となるメーカーはありません。 直径3cmの穴を20cmくらい開けるといった、どこでもできるような仕事もありますが、それより特殊で難しい仕事が回ってきます。「他で頼んだけれどできないといわれた」と困られたお客様が多くいらっしゃいます。

─どのような使用シーンを考えているのでしょうか?

医療器具には穴の開いたものは多くあります。例えばカテーテルやステントもそうです。当社はお客様が製作し、既に形になっている医療器具を、指定された位置に正確に穴を開けることが業務です。もちろん「3つあるうちの1つは失敗しました」では通りません。お客様の難しい要求に対し、どれだけ高い精度のものを間違いなく提供できるかがポイントとなります。
また、例えば、体内の異物を吸い出す用途で使用するような医療器具の場合、開けた穴が綺麗でなければ上手く作動しません。用途によってはキズが原因で破損することもあります。そのうえ、さまざまな材質も増えてきました。どれをとっても難易度が高く、しかも医療器具は日々進化しており、終わりということはありません。

─どのような場所・人に使ってもらいたいと考えているのでしょうか?

当社では、手術工具などの医療機器の他にも、航空宇宙関係の部品や自動車関連部品など、さまざまな分野でのお取引がありますが、新しいことに挑戦したいと考えている企業に当社の技術を使って欲しいと考えています。「この新しい技術に御社の穴開けが必要なんだ」といわれることが一番、嬉しいです。
例えば0.8mmのものに0.6mmの穴を開けるとか、何に使うのか想像できない依頼もあります。

細く深く、そして穴内面の綺麗さを追求して行きたい

─どのようなバイヤーとマッチングしたいとお考えですか?

集客の多くはwebサイトと展示会です。穴を開ける必要がある分野は数多くあります。展示会で当社を知り、美術品の加工で依頼があったこともあります。また、エネルギー関係からもお話を頂きました。設計図だけが来て何に使うのかわかない相談も多くあります。国家機密に関わるような仕事も来ているかもしれませんが、当社では他言することはありません。

─補助事業について、今後の展望について教えてください。

テクノロジーの進化により、今までなかったような仕事がたくさん来るようになりました。約1割は新規のお客様です。そのため開発が止まることはありません。
当社では細く深くをもっと追求したいと考えています。例えば、0.5mmのシャープペンシルの芯くらいの穴を10cmほど掘るとか、そのような用途があればチャレンジしたいと考えています。また、穴内面の綺麗さの精度も上げたいと思っています。今の当社の技術ではできなくて断った案件も数多くあります。

技術屋として「できません」ということが一番、悔しいことです。技術を磨くことで断った案件を受けられるようになることが目標です。

出展プロフィール

出展物の業種
機械・部品
補助事業実施年度
平成27年度
補助事業計画名
深孔加工による複雑形状部品の試作開発短納期化と国際的競争力強化

企業プロフィール

社名
株式会社ハイタック
創業年月
平成20年8月
代表者
稲田英教
本社所在地
〒410-0051 静岡県沼津市西熊堂716-41
TEL/FAX
055-939-5444/055-939-5445
WEBサイト

(日本語) https://www.hi-tak.co.jp

(英語) https://hi-tak.com

資本金
6,900万円
従業員数
25名
取扱製品

自社製ガンドリルマシン、受託加工(自社製ガンドリルマシン等による精密深孔加工など)