印刷済みの古紙を新たに再生する

デュプロ精工株式会社 
顧客製品開発部門 事業計画グループ再生紙担当 大原広行

地球環境への貢献のために諦められない

─御社の主な事業内容を教えてください。

国内外に拠点をもち、それらをネットワークしたグローバルなビジネスを展開しているデュプログループの一員が当社、デュプロ精工です。
当社では「紙」にまつわる様々なソリューション機器を扱っています。印刷機はもちろん、例えば、紙を切る機械や紙を切って折り目を入れる機械、DM作成機、封かん機などがあります。それら製品を開発から製造までトータルに行っています。特に印刷機では、同じ印刷物を大量に印刷する場面にて通常のトナープリンターやインクジェットプリンターより安価に印刷することができるといったところが特徴です。

─どのような背景・目的で本事業に取り組んだのですか?

当社のビジネスは紙を活用する機械ばかりです。地球環境への貢献としての取り組みとして、何か出来ないかと考えたところ、「紙を活用するばかりでなく、紙を再生する」ことに辿り着きました。
平成23年に印刷済みの古紙を再生紙としてリサイクルできる、小型製紙装置「RECOTiO(レコティオ) 」を開発しました。しかし、小型と謳っているもののオフィスに置くにはかなりのスペースが必要で、かつ高価なため、販売は苦戦しました。そこでさらなるコンパクト化と低価格化を実現するため、ものづくり補助金を開発に活用することになりました。紙をリサイクルするという使命(紙命)のためには、簡単に諦めるわけにはいかなかったのです。

環境問題に意識の高い企業に導入して欲しい

─展示会の出展物(ものづくり補助金を活用して開発した製品・サービス・技術等)について教えてください。

平成30年にリリースした、現在の「RECOTiO(レコティオ) 」は、従来の製品よりサイズが2/3に縮小されました。ものづくり補助金を活用しての開発は、さらなる高機能化、コンパクト化、低価格化を目指すものであります。

「RECOTiO(レコティオ) 」は小型製紙機としては世界初の脱墨(印字成分除去)機能を搭載しており、使用済み用紙を白い再生紙としてリサイクルすることができる製品です。特殊な溶解液も不要で、水さえあれば再生可能で、しかも何度でも繰り返し再生できます。

─それは世の中にどう役立つのですか?

「RECOTiO(レコティオ) 」の再生率は80%以上です。運用の費用は水と電気のみとなり、さほどかかりません。しかし、まだ初期費用が高価なため、何枚を再生すると投資金額が回収できるという点では難しいものがあります。そのため、環境問題に意識の高い企業での導入を推進しています。「RECOTiO(レコティオ) 」で再生した紙は普通の紙とは少し風合いが違うので、名刺として再生し、「社内でリサイクルした紙を使用しています」とクレジットを入れて頂くことでアピールに役立つと考えています。
また、機械の操作そのものは簡単なので、ある企業では障がい者の方に運用してもらっている事例があります。今までならそのような方には、モチベーションを高く保ち、コミュニケーションの取れる環境は整っていない場合が多かったと思います。しかし、各部署に古紙を回収してまわり、機械を稼働させて再生し、また各部署に届けることで、コミュニケーションも生まれ、やりがいにつながっているようです。

─競合と比べての優位性は何なのでしょうか?

従来、機密情報はシュレッダーにかけていました。しかし、シュレッダーした紙は繊維を細かく切るため再利用しにくいという問題があります。「RECOTiO(レコティオ) 」は用紙を繊維レベルまで溶解するので、文字情報は完全抹消されます。そのためセキュリティ対策としても安心です。シュレッダーの代用として活用できます。 また、水と電気のみを利用して再生しますので、繰り返し何度でも再生できる優位性があります。

─どのような使用シーンを考えているのでしょうか?

「RECOTiO(レコティオ) 」は、オフィスのどこかの部屋に一台を設置し、先ほど言ったように、各部署から古紙を回収しながら、もしくは持ち込んで頂いて、運用して頂くことを想定しています。

─どのような場所・人に使ってもらいたいと考えているのでしょうか?

「RECOTiO(レコティオ) 」は機密情報の処理に効果を発揮します。今まで機密情報が厳密に処理されていなかった、または、外部業者に依頼していたが漏洩の不安を抱えていた企業に活用して頂きたいと考えています。さらには、特例子会社など障がい者の方にも古紙再生の運用に活用頂ければと思います。

さらなる高機能とコンパクト、低価格を目指す

─どのようなバイヤーとマッチングしたいとお考えですか?

企業の、機密文書の処理に時間がかかっている、費用が膨大になっているといった課題を抱えているお客様とマッチングできればと考えています。また、障がい者雇用を推進している企業も考えています。あと、地球環境問題やSDGsの開発目標達成を模索している企業にもお勧めです。

─補助事業について、今後の展望について教えてください。

今後もペーパーレス(デジタル)化は進んで行くと考えています。しかし、紙の必要性は必ず残るものです。紙は視認性がよく、直感的な理解をもたらすため、人間の脳で把握・判断しやすいという利点があります。
また、各種モバイル機器や端末が登場する中で、重要度の高い情報や長文資料の閲覧、またアイデアワークなど「情報が人間の脳に認識され処理する必要がある面」では紙メディアが使用されることが依然として多いのではないでしょうか。総てをデジタル化するのではなく、紙とデジタルの共存が重要となり、そうする事で、企業の生産性が最も向上するのではないかと考えています。この機械は紙が必要な場面にて貢献できます。
今後は、さらに高機能/コンパクト/低価格化を目指していきたいと思います。

出展プロフィール

出展物の業種
化学・繊維・紙
補助事業実施年度
平成28年度
補助事業計画名
小型製紙装置の低価格・コンパクト化に向けた部品内製化事業

企業プロフィール

社名
デュプロ精工株式会社
創業年月
昭和48年8月
代表者
池田弘樹
本社所在地
〒649-6551 和歌山県紀の川市上田井353
TEL/FAX
0736-73-6233/0736-73-4993
WEBサイト

https://www.duplo-seiko.co.jp/

資本金
3,200万円
従業員数
207名
取扱製品

デジタル印刷機、多機能断裁機、メーリング機器、再生紙作製機並びに事務用省力化機器