製造業である弊社では、25年ほど前から植物配合の樹脂「UNI-PELE(ユニペレット)」を使用したエコプラスチック製品を制作しています。
「ユニペレ(ユニペレット)」は、竹や麦、コーヒー豆などの廃材を原料とした天然素材配合のペレット(バイオプラスチック)です。原料である天然有機廃材は化石原料とは違い、燃やしても有害ガスの発生が少なく、燃焼に必要なカロリーも低くすみます。また、「ユニペレ」には抗菌作用があり、「ユニペレ」で作られたお箸やコップ、お茶碗、お弁当箱などは安全で安心です。
ものづくり補助金を活用して、「ユニペレ」の製造に必要な押出機を購入しました。押出機とは、さまざまな廃棄物を配合し、ペレット化させる装置です。押出機は保有していましたが古かったため、新型を購入し、生産スピードを上げ、量産体制を構築したいと考えました。
「ユニペレ」は廃棄するものを原料としているので、ゴミの低減になります。自然界のものが52%は配合されており、CO2が48%削減できます。
また、新型コロナウイルス感染症の関係で、抗ウイルス、抗菌性が求められるようになりましたが、「ユニペレ」には抗菌作用があり、大腸菌O157やノロウイルス、インフルエンザなどを寄せ付けず、しかも、ぬめり、カビの発生が抑えられます。このことは高い数字のデータで証明されています。さらに、耐熱温度が-40度から+140度まであります。
地球温暖化で世界中で異常気象が発生していますが、循環型の「ユニペレ」は、SDGsに貢献できます。
「ユニペレ」は、特許も取得しています。繰り返しになりますが、CO2を48%削減でき、大腸菌O157などを寄せ付けない、抗ウイルスであるなどの特徴があることは、他にはない製品だと言えます。
弊社の事務所や自宅の台所の三角コーナーに置いていますが、通常は7~10日くらいでぬめり、カビが発生しますが、1か月経ってもぬめり、カビはありません。
自治体からの関心も高く、岩手県陸前高田市からは一本松の廃材から「ユニペレ」を作り、それでストラップに加工して道の駅で販売したいという依頼がありました。また、福島の家具屋さんからは檜の廃材を持ってこられ、弊社で「ユニペレ」にして製品化しています。
沖縄からビールの製造から出る搾りカスや、青森からりんごジュースの搾りカス、こんにゃく、山梨からはワインの搾りカス、静岡・つま恋から廃棄されるキャベツ、お菓子屋さんから廃棄する小豆、コーヒーメーカーからは珈琲の残渣。また、植物残渣だけでなく、岡山からジーパン、宮崎から鳥の羽、北海道から羊毛、奈良から牛革が送られてきます。それらを「ユニペレ」化してハンガーやボタンを作ることもあります。廃棄物を循環させ、地球環境の改善に役立てられればと考えています。
弊社の「ユニペレ」を購入していただき、さまざまな商品になって販売されています。また、医療関係や介護関係、ホテルのアメニティとしても活用していただいています。
食品企業がPRとして製造工程から出る廃棄物を「ユニペレ」化してノベルティを制作するときは5,000~1万といったロットの時もありますが、道の駅で販売するものなどは100個から引き受けています。
アパレル関係や自動車関係、大学関係など、SDGs、抗ウイルス、抗菌性に関心の高い企業・機関とマッチングできればと考えています。
SDGsに対してはヨーロッパの方が日本よりも進んでいます。日本も2030年を目指して植物由来100%の製品を作らなければならないと思います。弊社ではそういったものも試作しています。
私はプラスチックの成型加工に従事してきました。しかし、お客様からの受身の仕事のため、中国の方がコスト的に安価になると仕事を奪われてしまいます。自社で製品を作りたいと考え、「ユニペレ」の開発に乗り出しました。しかし、当時は失敗ばかりだし、環境に優しい製品などは見向きもされませんでした。ようやく、最近になってSDGs、抗ウイルス、抗菌性が叫ばれるようになり、注目されるようになりました。
弊社の取り組みが注目されて、大手企業や自治体など、さまざまなところから毎日のように、問い合わせをいただいています。
平成の時代よりも令和の時代の方が、地球環境は悪化していると感じます。そうした地球環境が悪化した時代を生きるのは、次世代の子どもたちです。子どもたちに負の遺産を残さないよう、少しでも役に立ちたいという気持ちで取り組んでいます。
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