導電性を持つ塩化ビニル素材で被覆した
ロケーティングワイヤー

河陽電線株式会社(大阪府・大東市)
代表取締役 小笹睦博

導電性を持つ塩化ビニル素材を開発

ロケナビワイヤー

─補助事業の成果である製品・サービス・技術等について教えてください。

弊社独自で開発した、導電性を持つ塩化ビニル素材で被覆したロケーティングワイヤーを製品化しました。

ロケーティングワイヤーは、水道管やガス管を地中に埋める際、埋設管に沿わせて一緒に埋めます。そうすることで老朽化などで新たに掘り起こして交換する必要が生じたとき、地上から探知機で埋設管を容易に見つけ出すことができるようになります。

このロケーティングワイヤーは導電性のため本業と並行生産ができず、専用に使う押出機をものづくり補助金を活用して購入しました。また既存の押出機では出なかった物性を出すためメーカーの協力のもと、弊社独自のスクリュウー形状で基礎物性を実現できました。

─それは世の中にどう役に立つとお考えですか?

水道管やガス管を交換する場合、図面に基づいて作業をします。しかし、掘り進めてみると図面と実際に埋まっている場所が違っている場合があります。そのため、水道管やガス管が見つからないとか、周辺を掘っているはずなのに水道管やガス管に当たって破損させてしまうという事故も起こっています。昔はずさんな工事が多かったのが原因と推測されます。

そのような事故を防ぐため、ロケーティングワイヤーが作られました。現在では水道管やガス管はポリエチレン製のものが使われているため、ロケーティングワイヤーがないと同じような事故が起こる可能性があります。

フィールド試験風景

─競合と比べて優位性は何でしょうか?

弊社は電線を製作してきた会社です。その弊社にロケーティングワイヤーを作れないかとあるメーカーから打診がありました。聞くとロケーティングワイヤーは探知機が探せるように導電性である必要性があるとのことでした。しかし、弊社が手がけてきた本業の電線は電気を漏らさないように絶縁体で作ります。電線業界では電気を通す被覆材(導電性がある)ことは非常識なことです。私たちの業界では導電性の材料など何処を探してもありません。お断りをしようと考えたのですが、ゴムを製作している親友に相談してみたところ、ゴム業界では常識だと教えられました。ゴムは電気を通しにくい絶縁体なのですが、導電性を付与した導電性ゴムがあると。例えば自動車のタイヤは導電性です。自動車に雷が落ちたときタイヤを通じて地面に逃がす必要があるからです。電線業界では非常識なことがゴム業界では常識なことが面白いと思いました。

私が、若いころに良く口にした、「業界の非常識は、異業界の常識、異業界の非常識は、業界の常識」と言う言葉を思い出しました。

電線を作って来たノウハウを活かし、水道管工事で使用するロケーティングワイヤーの研究開発に乗り出しました。作るうえでさまざまな課題がありましたが、5年という歳月を経て従来品の合成ゴムを超える導電性を持つ塩化ビニル素材のロケーティングワイヤーを開発することができました。

日本でロケーティングワイヤーを作っているのは4社しかありません。それらは合成ゴムを使っています。しかし、塩化ビニルはゴムの1/3のコストで作ることができます。そのため、弊社の製品の安価なことが優位性になります。そして導電性が良く、性能が高いことも特徴です。

自治体と関係のある商社とマッチングしたい

工事風景

─どのような使用シーンをお考えですか?

水道管は高度成長時代に整備が行われ、地中に埋められましたが寿命がきており、早急に交換しなければならなくなっています。

また、地震などの災害対策で耐久性が要求され、従来の鉄管から耐久性が高いポリエチレン管へと移行してきています。ポリエチレン管では地上から探知できないため、ロケーティングワイヤーの需要は益々、増えると予想されます。

水道管を全て交換するには130年かかるという試算が出ています。それは膨大な水道管とロケーティングワイヤーが必要だということです。

ロケーティングワイヤーは、一度埋めると、活躍する日が来るのは10年以上先のことです。ここに埋めているという目印でしかないためです。新しく水道管を埋めるときはまた、新しいロケーティングワイヤーを使います。そのため使い捨てです。コストを抑える必要があることから、弊社の製品は貢献できると考えています。

─どのような場所・人に使ってもらいたいとお考えですか?

これは夢の話ですが、海外では水不足で困っている地域がたくさんあります。水道管を通すように多くの方が努力されています。そのときに弊社のロケーティングワイヤーが使えないかと考えています。そのことで社会課題の解決に貢献できたら嬉しいことです。

─どのようなバイヤーとマッチングしたいですか?

自治体と関係がある商社さんとマッチングしたいと考えています。リーズナブルで性能の高いロケーティングワイヤーを自治体に提案していただければ助かります。

また、導電性を持つ塩化ビニル素材は他にも可能性があると思います。展示会ではそのような声もピックアップできればと思っています。

─今後の展望を教えてください。

今後は弊社の、導電性を持つ塩化ビニル素材で被覆したロケーティングワイヤーが世に認められるよう、努力したいと考えています。また、素材の優位性を活用していきたいとも考えています。例えば、防虫効果のある塩化ビニル素材や、クリーンルームでの導電シートなど、用途は広いと思います。

社会インフラの安全性がテーマ

小笹さん

─御社の概要や特徴、事業内容を教えてください。

弊社は昭和30年から大阪でビニル電線メーカとして創業しました。現在の主力製品は絶縁電線や通信線などです。また、これは電線とは関係ありませんが、弊社オリジナル商品のプラグ安全カバーも展開しています。家電製品の多くはコンセントに差さったままになっていると思います。冬場などは差しっ放しのコンセントが発火する、トラッキング火災が起きることがあります。これはコンセントに溜まったホコリが、微弱電流によって燃えることで起こります。それを防止するのがプラグ安全カバーです。ぜひ、洗濯機や炊飯器、冷蔵庫、テレビなどには付けて欲しいと思います。特に洗濯機が置かれている場所はホコリが溜まりやすいので、必須です。

─どのような背景・目的で本事業に取り組んだのですか?

社会インフラの安全性は弊社のメインの考え方です。我々の生活はインフラありきで成り立っています。生活が快適で、安心安全に暮らしていただくことがテーマです。

将来的には電線も地下に埋められ、無電柱化されます。観光立国を目指す日本にとって、美観を損ねる電線、電柱は極力なくしていく考えです。電線などが見えなくなることでより安心安全が求められます。我々のような小さな会社ではそれほど役に立たないかもしれませんが、勉強しながら環境問題への解決、SDGsへの貢献には積極的に取り組んでいます。

出展情報

Data

出展物の業種
環境・建設・エネルギー
補助事業実施年度
平成30年度
補助事業計画名
独自で開発した導電性を持つ塩化ビニル素材で被覆したロケーティングワイヤーの製品化

企業プロフィール

Profile

社名
河陽電線株式会社
創業年月
昭和30年3月
代表者
小笹睦博
本社所在地
〒574-0043 大阪府大東市灰塚3-6-13
TEL/FAX
072-872-1761/072-875-5336
ホームページ
https://koyodensen.co.jp/
資本金
1,000万円
従業員数
7名
取扱製品
器具用ビニルコード(含 耐熱性)、一般機器用電線、自動車用低電圧電線

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