実験マウス自動飼育装置「RoboRack」

グローバル・リンクス・テクノロジー株式会社(静岡県・浜松市)
代表取締役 神谷真
グループリーダー 増井将人

動物実験で必要な動物のお世話の負担を軽減する

RoboRack

─補助事業の成果である製品・サービス・技術等について教えてください。

弊社では抗ウイルス薬の早期開発に貢献する実験マウス自動飼育システム「RoboRack」を開発しました。

これはそもそも、地元国立医大の院長先生から動物実験の現場に改善が必要とのご相談をいただいたことから、2012年頃より開発に取り組むようになりました。現在、医療研究をはじめ、化学や、農薬、食品などさまざまな分野で動物実験が行われています。新型コロナウイルス感染症をはじめとした感染症に対する対策や新薬の開発、化学製品の安全性評価など、役割は重要で欠かすことはできません。その動物実験では動物のお世話が必要です。実験を確実なものにするためにもこのお世話は重要な作業ですが、動物実験の歴史が始まって2~300年が経つのにも関わらず、ずっと人間が手作業で行ってきました。そのため、飼育水準の維持に大変苦慮している現場が多いのが現状です。その手間のかかる作業を自動化できないかと考えたのが、開発の根幹です。

実験動物の施設は個々で要求が異なり、さまざまなカスタマイズの必要があります。「RoboRack」を普及させ、1つの事業として確立させるためにはカスタマイズ要望に柔軟に対応し、スピーディに多品種少量のパーツ生産を行う体制の構築が必要不可欠でした。そのため、ものづくり補助金では「実験動物全自動飼育システム「RoboRack」の効率的受注生産体制の確立」というテーマで取り組み、複雑形状にも対応可能な3次元切削加工機を導入しました。この加工機によって、パーツのカスタマイズに加え、外部委託に頼らざるを得なかった部品の加工も行うことで製造工程の内製化を進め、生産速度を速めることが可能となりました。また、新たな要求に対する開発対応の速度も圧倒的に向上することができました。

─それは世の中にどう役に立つとお考えですか?

マウスのお世話作業には、餌の供給、水の供給、汚れたケージの交換があります。従来、餌の供給と水の供給は自動化されたシステムがありました。しかしながら、汚れたケージの交換の自動化は、実現にはいたっていません。弊社は、この汚れたケージの交換を主軸に開発を行いました。

ケージの交換では糞尿で汚れたケージと臭気に作業者がさらされたり、噛まれたりするリスクがあり、作業者には負担が伴っていましたが、この負担が軽減されます。また、作業を自動化することで、確実な作業でマウスに安定した環境を提供し、従来の人手で行ってきた作業に比べ均一な環境を作ることができるため、比較作業になる実験の業務において試験精度の向上と効率化が可能になります。

また、動物実験は貴重な生命と向き合う作業であり、取り扱いには慎重かつさまざまな配慮が求められています。特に近年、動物愛護の意識の高まりからその要求水準は年々高まってきています。そのため、飼育衛生環境を保つことにも役立ちます。

RoboRack

─競合と比べて優位性は何でしょうか?

現在、餌の供給、水の供給、汚れたケージの交換という3つの作業を自動化したシステムは世界中に存在していないため、世界初のシステムと自負しています。

競合はありませんが、従来の飼育手法からの切り替えになるため、過去の固定観念が競合になるといえます。そのため、メリットを含めてご提案し、実績を構築していくことが今後の課題だと認識しています。

なお、「RoboRack」は2021年に「ロボット大賞」の優秀賞をいただいています。

大学や医療メーカー、実験動物施設と関連のあるバイヤーとマッチングしたい

RoboRack

─どのような使用シーンをお考えですか?

医療研究をはじめ、化学や、農薬、食品などさまざまな分野において行われている実験動物飼育で活用することができます。

飼育数は施設によってまちまちですが、国立大学の医学部で1000匹から1万匹というところもあります。「RoboRack」は、120~200匹が対応可能です。もちろん、必要に合わせて台数を増やせば、600匹でも大丈夫です。

─どのような場所・人に使ってもらいたいとお考えですか?

研究者さん、飼育管理者さん、飼育担当者さんに使って欲しいと考えています。

木のおがくずでできた木チップを床に敷き、餌をタンクに補充していただくだけです。水は水道管につなげることで自動的に供給できます。餌は1週間に1度くらいのペースで補充するだけで済みます。

動物は土日祝でもお世話をしなければなりません。そのため交代で出勤して対応している施設もありますが、そういうところには大きなメリットになると思います。

─どのようなバイヤーとマッチングしたいですか?

大学や医療メーカーなどの他、実験動物施設と関連のあるバイヤーさんとマッチングしたいと考えています。例えば理化学機器を販売する商社さんや実験動物機器専門の商社さんなどを想定しています。また、実験動物施設を建築するゼネコンなど、建築業者さんも考えられます。

RoboRack

─今後の展望を教えてください。

公益社団法人日本実験動物学会で行われた「実験動物の使用状況に関する調査について(回答率67%)」によれば、実験動物におけるマウス使用数は年間約500機関で約1千万匹と報告されており、グローバルインフォメーションが運営する「世界の市場調査レポート」サイトに掲載される世界のマウスモデルの市場規模は、分析期間(2020年~2027年)に6.3%のCAGRで成長する見通しで、2020年の13億米ドルから2027年には20億米ドルに達すると予測されています。

今後、需要は高まることが想定されるため、「RoboRack」の拡大に努めたいと考えています。具体的には5年後には年間10台の販売目標を掲げています。

また、マウスだけでなく、ラットやモルモット、ハムスターといった動物も需要に応じて検討していきたいと考えています。あと、ただ飼育するだけでなく、観察や行動解析はできないかなどの、難易度の高いご要望もいただいています。それらも検討し、新たな機能として加えたいと思います。さらに市場にご提案していくなかでニーズをキャッチしながら改良を考えていく計画です。

製品を通して医療の発展に貢献する

RoboRack

─御社の概要や特徴、事業内容を教えてください。

弊社は2004年に、静岡県浜北市(現浜松市浜北区)にて創業しました。以降、地域の中堅大手製造業者を主たる得意先として、電装品製造業向け治工具、省力化機(器)、制御機器、検査機器の設計製造の請負事業や電子機器の開発受託事業を行っています。また、技術者派遣、技術支援も行っています。小規模企業ながら機械、電気、ソフトと開発体制を有しており、モノづくりの開発における仕様決め段階からトータルな対応が可能なことを特徴としています。クライアントには自動車関係が多く、家電や医療機器メーカーさんとのお取引もあります。

RoboRack

─どのような背景・目的で本事業に取り組んだのですか?

弊社では下請業務だけでは発展性に乏しく、益々進む競争激化と高齢化による生産性低下によって行き詰ってしまうという危機感もありました。そのため、自社製品の開発は以前より注力してきました。

弊社が得意としているのは、モーター制御です。その技術を上手く応用できる分野に医療関係があります。「RoboRack」は、モーター制御を応用し、医療分野で活用できる製品です。製品を通して医療の発展に貢献できるのは喜ばしいことです。弊社は技術者集団なので、今後も技術を追い求めて更なる要求に応えていきたいと考えています。

出展情報

Data

出展物の業種
医療・生活・ヘルスケア
補助事業実施年度
平成29年度
補助事業計画名
「実験動物全自動飼育システム「RoboRack」の効率的受注生産体制の確立」

企業プロフィール

Profile

社名
グローバル・リンクス・テクノロジー株式会社
創業年月
平成16年5月
代表者
神谷 真
本社所在地
〒433-8116 静岡県浜松市中区西丘町943-1
TEL/FAX
053-401-0882/053-401-0883
ホームページ
http://www.glinx.co.jp/
資本金
1,250万円
従業員数
35名
取扱製品
電子機器や省力化機器の設計開発製作

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