宇宙に行く人とスタッフが訓練できるシミュレーターを開発

有限会社国際宇宙サービス 
代表取締役 山崎大地(民間宇宙飛行士)

人が宇宙に行くためには訓練が必要になる

─御社の主な事業内容を教えてください。

当社では、宇宙旅行をはじめ、無重力飛行、月面開拓、宇宙教育など、約80もの事業を行っており、一概に説明するのは難しいのですが、ざっくりいうと、宇宙を利用したサービスを行う民間企業です。
宇宙を、宇宙船やロケット、あるいは宇宙の施設や情報など幅広く捉えており、皆さんの仕事やサービスに宇宙を取り込んで行くことで、宇宙コラボレーションをいろいろやっています。 そのなかでメインとなっているのが、宇宙旅行です。

宇宙旅行というと、日本人にとっては他人事というか、実感はないと思うのですが、既にヴァージン・ギャラクティックやブルーオリジンが展開する宇宙旅行プランに約10万人が予約(仮予約も含む)しています。その宇宙旅行が2021年からスタートします。そんな宇宙旅行時代に向けたさまざまな事業開発を行っています。

─どのような背景・目的で本事業に取り組んだのですか?

当社では宇宙旅行のためのロケットや宇宙船を作っているわけではありません。ハードウェアを作っているのではなく、サービスを作っています。
宇宙旅行に行く人々がいきなり宇宙船に乗っても何もできません。訓練が必要です。また、宇宙旅行に行く目的は、実際は旅行というよりも、宇宙で結婚式をあげたい、コンサートをしたい、CMやPVを撮影したいなど、個々に具体的なニーズがあります。すると宇宙船に結婚式場を作ったりコンサートホールを作らなければなりません。また、結婚式をあげるのなら神父さんが必要になりますし、コンサートではさまざまなスタッフも必要となります。そして非常にたくさんに事業者が同時にサポートする必要があります。みんなが宇宙船のことをわかっていないといけないのです。
そこで当社では宇宙旅行者だけでなく、スタッフも訓練でき、関わる総ての人が学べる宇宙船シミュレーターをものづくり補助金を活用して開発しました。

日本で宇宙時代のサービスを開発して世界に貢献する

─展示会の出展物(ものづくり補助金を活用して開発した製品・サービス・技術等)について教えてください。

ものづくり補助金を活用して開発したのが、ワールドビュー社が提供する「ボイジャー」号による宇宙旅行のための、シミュレーターです。実際の宇宙船ではなく、内装を同じにした模型です。中古のキャンピングカーを改造して製作しました。
ここで実際に宇宙旅行に行く人の訓練と、その人をサポートするキャビンアテンダントなどのスタッフの教育を行うことができます。

「ボイジャー」号の日本人フライト第1便を募集したところ、ひとり約1,500万円、定員5名に対してすでに満席となっています。ただし、「ボイジャー」号のフライトが延期になったため、シミュレーターは先に出発予定のヴァージン・ギャラクティックの宇宙船に改装する予定です。

─それは世の中にどう役立つのですか?

宇宙旅行が可能になるということは、歩いて旅行に行っていたのを自動車や船や飛行機で行くようになった、という移動手段が単に変更するのとは意味が違います。鎖国していた日本が鎖国を解いたことで海外からたくさんの文化が入ってきて、文明開化が起こった以上のインパクトがあります。つまり、鎖国していた地球が宇宙に対して開国し、人類の生活圏が宇宙へと広がるということ。グローバル化が叫ばれていますが、それは世界を指すのではなく、これからは宇宙も含まれるようになります。世界が大きく変わります。私たちはこれをユニバーサル化と呼んでいます。
ハードウェアの開発は進んでいますが、宇宙旅行時代に適応したサービスの開発は遅れています。日本は食べ物も美味しいですし、サービスのクオリティも高い国です。日本で宇宙サービスをどんどん作って世界に貢献しようと考えています。

─競合と比べての優位性は何なのでしょうか?

今はまだ宇宙旅行のハードウェアが先行していて、ソフトに関しては遅れている状況です。このようなサービスを展開しているところは世界にもほとんどありません。例えば、宇宙で結婚式をするためのサービス開発などはまだどこの企業もしていないんです。

─どのような使用シーンを考えているのでしょうか?

宇宙が生活圏になるということは、地球にある総てのサービスが宇宙でも必要になると言うことです。宇宙で結婚式をするためには、ウエディングドレスも結婚指輪も宇宙だからこそ、のものが必要になります。シミュレーターで訓練を行うことで課題も見つかり、新しい製品開発にもつながると考えています。
また、宇宙で働くキャビンアテンダントはまだいません。教育のための講師もカリキュラムも教材も必要になります。そこに新しいビジネスが生まれます。地球にあるものが総て必要なのですから可能性は無限大です。

─どのような場所・人に使ってもらいたいと考えているのでしょうか?

宇宙旅行者向けのシミュレーターのような施設を持っている会社はまだありません。宇宙船を開発している企業ですら、です。
当社が率先して訓練をすることで、宇宙旅行の成功率は高まります。宇宙サービス面では世界の最先端を作り出すことができます。

宇宙旅行時代はゴールドラッシュ。そこに気付いて欲しい

─どのようなバイヤーとマッチングしたいとお考えですか?

宇宙でビジネスをしたいという企業に対しては来るもの拒まず、です。宇宙で総てのものが必要になりますから。
需要が高いと考えているのは飲食関係です。また、人は冠婚葬祭にお金をかけます。旅行に1000万円は高いと考えますが、一生に一度の結婚式のためなら人は使います。事実、実業家や芸能人は数億円かけて披露宴を行う人もいます。お葬式もそうです。なので冠婚葬祭を展開している企業とは親和性は高いと考えています。

─補助事業について、今後の展望について教えてください。

今後は、シミュレーターの種類を増やしながら、機能もバージョンアップをして行く予定です。宇宙旅行を展開する企業は数多くあります。それら企業の宇宙船総てに対応させなければなりません。
これからの宇宙旅行時代は、ゴールドラッシュだといえます。宇宙ビジネスのチャンスはどの分野にでもあります。宇宙に適応した製品を開発し、特許を取れば勝ちです。海外のベンチャーは未来に向かってすでに走り出しています。しかし残念なことに、そこに日本人がいないんです。日本はまだ国家主導で宇宙開発をしている段階ですからね。
実はゴールドラッシュで儲けたのは金を掘り当てた人ではありません。金を目当てにやってきた人に対して宿や食事や作業服などを提供した人です。そこに早く気付いて欲しいと思います。

出展プロフィール

出展物の業種
医療・生活・ヘルスケア
補助事業実施年度
平成28年度
補助事業計画名
民間の宇宙飛行及び宇宙関連サービス事業の新展開

企業プロフィール

社名
有限会社国際宇宙サービス
創業年月
平成17年1月11日
代表者
山崎大地
WEBサイト

https://astrax.space

資本金
600万人
従業員数
0名
取扱製品

宇宙での生活に必要になるもの総て