「ワーキングパワースーツ」で社会問題に貢献する

有限会社アトリエケー 
代表取締役 北浦基広

機能強化のためには設備投資するのが最善だった

─御社の主な事業内容を教えてください。

当社は、腰を中心に身体への負担を軽減するパワーアシストスーツに特化したメーカーです。社内で開発から製造までを一貫して行うことができます。
もともとはアパレルのデザイン会社でした。社名にアトリエと付いているのはそのためです。当社でオリジナルの製品開発に挑戦することを考えたとき、世の中にないものを作ることにしました。そこで着目したのが、人口の減少や労働力不足、高齢化などの社会的問題です。

身体の弱い方や女性、高齢者が活躍できる世の中にしたいと思い、10年ほど前からアシストスーツの開発に取り組むことにしました。
最初に製造したのが「アグリパワースーツ」です。農業従事者の方々をターゲットに開発したのですが、今は農業関係は売上の1割で、製造業の現場で使って頂くケースが圧倒的に多くなっています。

─どのような背景・目的で本事業に取り組んだのですか?

機能性が高い製品を開発するためには、設備投資が必要となったため、ものづくり補助金を活用することにしました。具体的には特殊ミシンの購入です。5台導入しました。ミシンと聞くと1本の針で縫って行くイメージがあると思いますが、導入したのは針が3本あって同時に縫うことができるミシンなどです。あと、自動で縫うことのできるミシンもあります。
モニターから「もっとパワーが欲しい」など、いろいろと要望があり、それを実現するには設備を強化しないとできなかったのです。

働き方改革になり、安全性の向上と時間短縮が図れる

─展示会の出展物(ものづくり補助金を活用して開発した製品・サービス・技術等)について教えてください。

動力源を一切使用しない「ワーキングパワースーツX(エックス)」です。独自開発した高反発のスプリングを背面に装着しています。これは、長年の研究の末に考えだしたX理論に基づき、人間工学にそった設計をしたものです。さらに素材にもこだわっています。結果、作業時の腰・背筋への負担軽減を実現しました。
着脱も簡単です。また、モーター等の動力を使用しないで、750gと軽量です。それでいて、着用していないときと同様のフットワークで長時間の使用が可能です。作業現場で持ってもよいとされている重量の20kgのものを、女性や高齢者でも成人男性のように軽々と持ち運びできるようになります。従来、身体への負担が激しいとされている作業に従事することが可能なため、労働人口減少の課題の解決に貢献できる製品です。
作業環境の改善は、働き方改革にもなり安全性の向上と時間短縮にもつながると考えています。

─それは世の中にどう役立つのですか?

前屈みになって立ち上がるという動きを多く繰り返す作業では、腰や背筋に強い筋肉負担がかかっていました。当社が独自開発した厚み約1cmのステンレス鋼を使用したスプリングコイルの反発力を利用することで、作業が楽になります。また、似たタイプのものとは異なり、胸部を開放し、女性でも簡単に装着できるようになっています。

─競合と比べての優位性は何なのでしょうか?

価格が安いことです。電動式のものだと100~200万円はします。それが、「ワーキングパワースーツ」の上部のみ単品で、販売価格19,800 円(税込)~とリーズナブルです。
また、効果については兵庫県立大学環境人間学部の内田教授に検証して頂きました。

─どのような使用シーンを考えているのでしょうか?

土木工事や電気工事、建設現場、倉庫作業者、宅急便業者から介護職。それに意外と重労働な花屋でも使うことができます。重たいものを日常的に持たなければならない仕事に従事されている方で、身体を壊さないようにしたいという配慮から需要が高まっています。
想定していなかった導入先にパチコン関係があります。パチンコの玉を運ぶとか、パチコンの台を交換する会社にも使って頂いています。

─どのような場所・人に使ってもらいたいと考えているのでしょうか?

作業効率もアップしますが、安全性も向上します。腰痛の防止もそうですが、力を入れなくても重いものが持てるので、転倒事故の防止にもなります。

行政で安全の担保のために義務化して欲しい

─どのようなバイヤーとマッチングしたいとお考えですか?

企業の購買部署の方とマッチングしたいと考えています。あと、物流関係に役立つ新製品を開発したので、その方面の企業にもお役に立てると思います。重いのを持つことに困っている企業と取引のある商社やベンダーともマッチングできれば貢献できると思います。
自社で製造しているので、導入企業独自のカラーにできますし、マークや社名をプリントすることもできます。イメージ戦略でユニフォームを作っている宅配企業はいくつかありますが、それと同じようなデザインにすることも可能です。

─補助事業について、今後の展望について教えてください。

「ワーキングパワースーツ」は発売開始から2年半で既に31000着を販売させて頂くほど好調です。耐久は約2年です。今後は機能をより強化しつつ、販路を拡大したいと考えています。というか、販路を拡大するためには機能を強化しなければなりません。業種業態によっても強化すべきポイントは違います。さまざまな業種業態にあった「ワーキングパワースーツ」を開発し、その業界で販売して行きたいと考えています。また、将来的には海外展開もできればと考えています。
建設現場などでは安全靴や転落防止のハーネスの着用が義務化されています。今後、行政でこのような「ワーキングパワースーツ」も義務化して、安全性を担保して頂ければと考えています。そうすれば我々の業界の技術力も向上します。

出展プロフィール

出展物の業種
機械・部品
補助事業実施年度
平成25年度
補助事業計画名
労働時の腰・背中への負担を軽減し作業効率を向上するウエアの開発

企業プロフィール

社名
有限会社アトリエケー
創業年月
平成8年4月
代表者
北浦基広
本社所在地
〒670-0086 兵庫県姫路市田寺4-5-12
TEL/FAX
079-295-6581/079-295-6582
WEBサイト

http://agri-suit.com

資本金
370万円
従業員数
13名
取扱製品

パワーアシストスーツ