注目の出展企業 「能勢酒造株式会社」(大阪府)

「創業300年、“酒蔵”を目指す酒蔵」

能勢酒造株式会社 代表取締役 子安 丈士

出展プロフィール

会場
大阪
業種
飲料製造業

致命的な打撃を受けた工場を炭酸水の製造・販売で復興

― 御社の主な事業分野についてお聞かせください。

弊社は300年以上前、1712年に清酒製造を始める形で創業しました。しかし昭和47年、私の父の代に清酒製造は休止し、休止前から販売していたミネラルウォーターの製造と販売を中心とした清涼飲料の製造・販売を始めました。今でこそ当たり前のことではありますが、当時は「水を買う」「水が売れる」という認識が非常に低い中、もともと綺麗な水が必要な清酒を製造していたという強みを活かし、飲食店などにプロ向けの水として販売をしておりました。ウイスキーの水割りブームをきっかけに飲食店での需要が大きく上がったおかげで、軌道に乗せることができるようになったと聞いています。

30年ほど前のチューハイブームから、炭酸水や焼酎で割ったらレモンサワーになるような製品の製造・販売を始めました。そのような経験が、現在のラインナップであるサイダーなどの源流になっています。その後、家庭用にミネラルウォーターを販売しようということで、ペットボトルに詰めたミネラルウォーターの製造・販売を開始しました。当時、競合他社は大手の1社しかなく、新聞広告にその企業のミネラルウォーターと弊社のミネラルウォーターが並んでいましたね。そのぐらい家庭用には早くから取り組んでいました。

私が高校生の頃には、大手のお取引先もあり、かなりの数を製造・販売していましたが、平成10年ぐらいに近隣のゴミ焼却場から環境基準を超えるダイオキシンが検出されたんです。弊社の水から、ダイオキシンは全く検出されませんでしたが、そこからの風評被害で致命的な打撃を受けました。その5年後に、私がこの会社にきました。

― その頃はどうでしたか?

もうボロボロですね。私は学生時代、工場が止まっているところを見たことがなかったんです。卒業後は他の会社に勤めていたので見ていなかったのですが、帰ってきたら一週間のうち2、3日しか工場が動いていませんでした。まずそれに驚きましたね。あんなに毎日動いて、残業までしていたのに。

― そこからどうやって今の状態に持ち直したのでしょうか?

まず、今までどおりにやっていても難しいと感じました。そこで、新しい商品を作ってこの局面を変えていこうと考え始めました。私が一番始めに作った製品が、瓶に入ったウーロン茶です。確か平成15年ぐらいだったと思います。新しい商品を作るにしても、弊社の個性は大事にしていきたいと考えていました。弊社の強みは、やはり綺麗な水です。その水を使った、瓶入りウーロン茶の製造を始めました。弊社は飲料を瓶に詰め販売し、その瓶を回収するスタイルを基本としています。

ゴミ焼却場の問題で売上を落としたので、ゴミの出ない販売方法に取り組んだ結果、現在の形が出来上がりました。他にも炭酸水の品質改善に取り組み、独自の製法でつくりあげた炭酸水の販売を始め、大阪のバーなどに卸し始めました。非常に炭酸水としてクオリティが高いとお褒めの言葉をいただき、受注を確実に増やしていく中で、空前のハイボールブームが起こります。かねてからウイスキーの割り材として使用するような、シンプルな形で飲んでもらうのをオススメしていた甲斐もあり、一気に需要が拡大しました。その事業が軌道に乗ってくれたおかげで、経営を持ち直すことができました。

― その炭酸水の強みはどういった部分でしょうか?

泡の強さですね。泡がとても長持ちするんです。入れてから、泡が抜けるまでの時間がとても長い。後は、やはり自然の水を利用している点ですね。普通の炭酸水は水をそのまま使わずに純水処理しています。弊社は純水処理の手順を行わず、そのままの水を利用しています。

難しいと言われる「梅」の発泡性飲料に着手

― 現在の主力製品はやはりその炭酸水ですか?

そうですね。現在は飲食店だけでなく、スーパーなどにも卸しています。売上のうち、大体3分の2は炭酸水ですね。炭酸を非常に高く評価していただいたので、そこを掘り下げてビジネスを展開しようと。現在「桜川サイダー」という製品を製造・販売しているのですが、平成19年ぐらいから地サイダーブームが起こりましたので、そのOEM製造なども行っています。

― ものづくり補助金を利用されたのも炭酸水の製造に関わる部分ですか?

弊社は「酒造」の名前こそ社名に残していますが、酒類の製造免許もなく、製造はしていませんでした。しかしやはり、それは夢がないだろうと。しかし、酒類の製造となると、温度管理が非常にシビアになってきます。弊社で販売している炭酸飲料も殺菌工程があるのすが、前処理での殺菌と後処理での殺菌の二段構えで行っていました。

酒類の場合は、アルコール成分が飛んでしまうため、前処理での殺菌を行うことができません。そこで、後処理での殺菌を確実に行うために、ものづくり補助金を利用して温度を徹底管理できる装置の導入を行いました。

―現在酒類の製品は製造・販売しているのですか?

現在は、「梅香泡(うめかほう)」という製品を製造し、百貨店などに販売しています。目指している形としては、設備に投資が必要なアルコールの製造を、弊社でOEM製造することでお手伝いさせていただく、というものです。そのためには実績が必要なので、まずは弊社で自社製品として「梅香泡」を開発しました。

わかる人にはわかるのですが、梅の炭酸飲料は製造が難しいんです。そういうものに最初から挑戦することでアピールしようと。発泡性のあるアルコールの中で一番充填が難しいのが、実はビールです。ビールメーカーさんは非常に高性能な機械を導入し、シビアな環境で製造しています。ゆくゆくは弊社でも着手していきたいですね。

― 今後は清涼飲料水の製造・販売を行いつつ、酒類の製造・販売を積極的に行っていくのでしょうか?

そうですね。酒類の方はまだ商売と言える段階まで行っていないので、軌道に乗せられたら。酒類の製造は免許が必要ですが、年間で6000リットル製造しないとその免許をもらうことができません。現在の目標は、6000リットルの製造ですね。

能勢酒造株式会社の主な製品や工場風景 

企業プロフィール

企業名
能勢酒造株式会社
基本情報
創業年月 昭和23年10月
代表者 子安 丈士
本社所在地 大阪府豊能郡能勢町吉野358
TEL/FAX番号 072-735-2222/072-735-2468
Webサイト http://www.eonet.ne.jp/~nosemizu/
資本金 1000万円
従業員数 20名
取扱製品 清涼飲料(ミネラルウォーター、ウーロン茶、茶飲料、炭酸飲料)

他の注目出展企業様