注目の出展企業 「株式会社三星」(大阪府)

「全国を車で走り回った経験が生んだ、
中小企業にしか出来ないサポート体制」

株式会社三星 常務取締役 樫谷 賢一

出展プロフィール

会場
大阪
業種
輸送用機械器具製造業

中小企業では数少ない油圧パワーユニットを製造・販売

― 御社の主な事業内容についてお聞かせください。

油圧ギヤポンプ

ショベルカーやフォークリフトなど、工事現場や工場で使われる車両に搭載されている油圧ギヤポンプや、油圧バルブ、パワーユニットを製造・販売しています。油圧機器は、油の流体を動かしてシリンダー等を動かすのですが、流体を送り出す心臓部分がギヤポンプ、その制御を行う部分がバルブ、それらとタンクやモーターなどを一体化して小型にしたものが、パワーユニットです。

―パワーユニットとは、どういった特徴がある製品でしょうか?

簡単に言いますと、油圧の発生源を一つの塊にしています。油も入っていますので、このパワーユニットとシリンダーがあれば、油圧の力を利用したい車に取り付けたり、工場内にリフトを設置したり、油圧を利用した設備の設置が容易に行えます。器用な方であれば、外部の企業に委託しなくても設置することが可能です。

―パワーユニットのような油圧のユニットを販売している企業様は他にもあるのですか?

ありますね。ただそんなに多くはないです。特に中小企業では数えるくらいしかないと思います。

―その理由はなんでしょうか?

油圧のユニットのマーケットがそれほど大きくない、というのが一つの理由です。大手企業がそのようなユニットを出している中、後から参入するというのはリスクが大きいからですね。ユニット自体もそこまで高価なものではなく、大きく儲かるというわけではありません。新規参入はほとんどなく、逆に価格の競争の結果生産を止める企業様の方が多いです。弊社は20年ほど前から製造を始めましたが、その頃は大手企業さん数社で作っている程度でした。

―なぜその中で、新規参入しようと考えたのでしょうか?

私が入社した33年前は、弱電設備や工業用ミシンの部品加工が売上の9割を占めていたんですね。それから自社製品を作ることになり、油圧をスタートさせたのですが、やはり始めはなかなか上手くいきませんでした。その時、油圧の力を使いたいという韓国の企業様からお声がかかり、合弁会社を設立しました。日本で部品を作り、韓国で組み立てるという仕組みが始まったのです。様々な製品を開発しましたが、ユーザーは全て海外で、日本国内での販売は行っていませんでした。しかし、やはり日本国内でも売りたい。そこで、20数年前に国内販売を推進するプロジェクトが立ち上がりました。私と営業マンの2名体制で、日本国内を車で走り回りながら、大手企業が取り扱えない企業を中心に売り込みをかけていきました。その際に強みとなったのが、大手企業ではできないご要望に応えることができる、という点です。かゆいところに手が届くような改良や、「こういうの作ってよ」というご要望を伺いながら得たノウハウで、既製品だけでなく企業様からいただいた図面を元に弊社で製造する体制が出来上がりました。その体制を始めた当初は9割がお客様からいただいた図面を元にした製造でしたが、徐々に自社製品も改良を重ね、昨年は自社製品が売上の65%を占めるようになりました。

大手企業ではできないサービスの充実と、従業員全員への教育

― 営業をかけている頃はやはり大変でしたか?

ずっと車で走り回っていたのでそれはもう大変でした。強く記憶に残っているのは、現場のスタッフと真冬の時期に仙台まで車を走らせた時です。お客様からのご要望で油圧を利用した車を直して大阪に帰っていたところ、今度は北海道のお客様から電話がかかってきました。引き返して北海道まで車で行き、また車両を直したという思い出があります。この経験は、製品は作れば終わりというわけではなく、作ったものに対して色んな角度でテストをし、長い時間をかけて評価をしていくことが重要だと感じさせてくれました。現在、弊社ではできるだけ時間をしっかりとって耐久テストを行っています。正直に言いますと、直接製造に関わらない検査等の設備は後回しにされがちです。私たちは検査機器を充実させることで、作った物の評価をしっかりと行う。それが、お取引先様からの評価にもつながっています。
また、大手企業ではできないサービス面の充実は、弊社のような中小企業が生きていく中では必要不可欠です。例えば今日の15時にお客様からクレームの電話が入ったとしたら、どんな手段を用いたとしても翌朝には現場に着いている。そのような不具合の件数自体は非常に少なくはありますが、万が一発生した時のために迅速に対応できる体制は常に整えています。

―その体制のために、何か会社として取り組んでいることはありますか?

人のスキルを上げることです。機械を製造する場所であれば、ほとんどの従業員が製造機械をプログラミングすることができます。機械へのプログラムの入力は、中小企業であれば10人中2人ぐらいしかできないのが普通です。弊社では、10人いれば10人全員ができるようにしています。難しい設備を若い人が利用することができるのは、弊社の強みですね。

―従業員全員が職人になってほしいということでしょうか?

いえ、職人にはなってほしくありません。技術に特化するというより、オールマイティに何でも扱える。管理もできる。そんな人材に育ってほしいと考えています。スペシャリストでありつつも、柔軟性を持っていてほしいですね。

―ものづくり補助金はどの部分に利用されましたか?

高圧の水を噴射して的確にバリを取り除くための機械を導入しました。今までバリ取りは機械でブラッシングをし、最終的には人の手で工具を用いて取り除いていました。それが機械で洗浄した後は目視でチェックするだけになりましたので、省人化および作業の単純化ができるうえに、品質も安定させることができるようになりました。作業時間自体も今までの3分の1ぐらいの時間に短縮することができています。私自身、長年欲しいと感じていた機械でしたが、予算の倍ぐらいの価格だったため導入に踏み切れていませんでした。ものづくり補助金に背中を押してもらい、購入ができた形です。

―今後の事業展開についてお聞かせください。

弊社は工場も含めて、非常に住宅地に近い場所に建っています。敷地面積としてもこれ以上建物を増やすことができないので、人を増やして生産を増やすことよりも、省人化を進めていきたいと考えています。もちろん今の従業員を減らすという意味ではなく、単純作業を減らしてよりハイレベルな知識をつけてもらい、ワンランク上の仕事ができるようになってほしいです。一人ひとりのスキルを上げ、油圧にこだわらず様々な分野に手を広げていきたいですね。

株式会社三星の主な製品や工場風景

企業プロフィール

企業名
株式会社三星(みつぼし)
ものづくり補助金利用事業名
油圧機器製品の製品清浄度向上を図り、競争力強化計画
基本情報
創業年月 1947年6月
代表者 松本 覚
本社所在地 〒579-8011 大阪府東大阪市東石切町1-2-32
TEL/FAX番号 072-982-3661/072-982-5427
Webサイト http://www.mtbs.jp/
資本金 3000万円
従業員数 71人
取扱製品 油圧ギヤポンプ、油圧バルブ、パワーユニット

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