注目の出展企業 「松菱製紙株式会社」(静岡県)

「高いセキュリティレベルで臨むBtoCの古紙回収と再資源化」

松菱製紙株式会社 代表取締役 植田 和明

企業プロフィール

会場
東京
ブース番号
63
業種
パルプ・紙・紙加工品製造業
所在地
【本社】
〒419-0202
静岡県富士市久沢145番地            

【東京営業所】
〒103-0023
東京都中央区日本橋本町2-3-6 協同ビル4階

あえて手間のかかるBtoCの古紙回収に積極的に取り組む

― 力を入れている事業分野や製品についてお聞かせください。

弊社は創業から71年になります。長い間、家庭用薄紙の製造をしていますが、その商品供給のための資源として、古紙を使ってきました。主力の製品は、再生紙を使用した家庭用のトイレットペーパーです。しかし近年、日本国内で発生した古紙は、国内のみの資源ではなく、海外に輸出されるようになってきています。日本国内では資源化のための選別段階で人件費コストが大きくかかるため、海外にそのまま輸出するほうが利益があがるという状況なのです。そのため、良質な古紙を安定的に確保することが難しくなりました。そこで、今まで自社で古紙回収を始めようと考えたわけです。

― 貴社の古紙回収にはどのような特徴があるのでしょうか?

最初はBtoB、つまり企業様から出る産業廃棄物をいかにして集めるかということに注力していましたが、やがてBtoC、つまり一般家庭や小規模事業所などから出る、紙資源の回収という方向にシフトしてきました。実は、製紙業としてBtoCの古紙回収をしているところはほとんどありません。何故かと言うと、BtoBのように量がまとまって発生しないため、回収の手間ばかりが非常にかかるのです。しかし、弊社はこのBtoCの回収にあえて取り組み、今では必要な需要を満たす供給の見通しがついてきました。

― BtoCでの古紙回収にあたり、力を入れていることはありますか?

セキュリティそのものに対する精度をあげられるよう目指し始めました。ものづくり助成金をいただいた目的も、セキュリティ精度をあげつつ、コストは下げつつ、利便性を向上させることです。そのために、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)も組み込みつつ、古紙の24時間受け入れ体制を整えました。24時間体制を導入している企業様はまだないと考えますので、こちらは突出した強みかなと考えています。また、BtoCとなるとそれなりに手間やコストがかかりますので有償で受け入れていますが、その分お客様にメリットがあるように、セキュリティ面の安全性確保や全国どちらからでも受け入れられる仕組みを作っています。

― 古紙回収におけるセキュリティとは、具体的にはどのようなことでしょうか?

ハード面とソフト面の話があります。ソフト面は、回収した紙に記載された機密情報を、いかに外部に漏洩させない仕組みを作るか。弊社では専任のセキュリティ管理要員を配置することで、このセキュリティ性を担保しています。またセキュリティマネジメントのISO認証も受けました。そしてハード面では、そもそも人の手を介せば介すほどセキュリティレベルは下がりますので、出来るだけ人手を経ない形を作ることです。今年の12月に完成予定の新しい工場があるのですが、こちらでは受け入れから処理までほぼ無人化を果たす予定です。

小規模事業者様にシュレッダー代わりに活用していただきたい

― 新工場で実現される紙の回収から再資源化までの流れの特徴は何でしょうか?

そもそも機密書類の処分方法には2つあります。1つめは、紙を細かくして文字が見えない状態にする、つまりシュレッダーですね。もう1つは、溶解。紙そのものを溶かしてしまいます。製紙業なら、溶かす技術は持っているのですが、BtoCの小ロットの回収紙をBtoBと同じように処理するのは難しいのです。そこで、新しい工場では送られてきた機密書類を一度プールし、一定量になった段階で処分をするという仕組みを作りました。
また弊社にとってもお客様にとっても価値のある仕組みのため、活用するのがIoTです。まず、紙を送っていただく方に対して、受付時にIDを発行します。そのIDをシールにしてお届けし、それをダンボールに貼って送っていただく。すると我々は工場の入り口でシールをスキャンするだけで、どなたから送られたかわかり、またお客様はそのIDを元に処理の様子を追跡できます。現在どの処理段階か、『何月何日の何時頃処理されます』というのもわかり、その様子をライブカメラで見ることもできるのです。現在の工場でも似た仕組みになるよう改善を進めています。

― 目指されている企業像はありますか?

ゆくゆくは、会社でのシュレッダー代わりとして弊社を活用していただきたいです。小規模事業者さんが出すトップセキュリティの情報書類は年間ダンボール数個ほど。それを社員の方が手間をかけてシュレッダーしなくてはならない状況から、弊社に送っていただくだけでよい状況を作る。そうしたビジネスモデルとして発展させていきたいですね。

― 展示会ではどういった企業様との出会いを期待されますか?

基本的にどの企業様でも機密に関する書類はあるものです。そのセキュリティ上の扱いを真剣に考えていらっしゃる企業様とは、是非お話させていただきたいですね。弊社と同じようにセキュリティのISO認証を受けている企業様もそうです。自社から廃棄される資源に関する意識が高い企業様とは、建設的な関係を築けると思います。
弊社の一番の強みは『自動化』によりほぼ無人の形で回収紙を処理することであり、現場に立ち会いいただかなくても全国から処理状況をご覧いただけることですので、この高いセキュリティレベルを求められる企業様に、より多く出会えればと思います。

松菱製紙株式会社の主な製品および工場風景

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