注目の出展企業 「藤野興業株式会社」(大阪府)

「小学校の砂場にも導入された『ガラス製の砂』を
リサイクルで製造」

藤野興業株式会社 営業部 課長 山本 剛一 / 梅本 陽二

出展プロフィール

会場
大阪
業種
廃棄物処理業

再資源化が難しいガラスのリサイクルを行う

―御社の主な事業内容についてお聞かせください。

山本氏 弊社は一般ゴミの収集・運搬や浄化槽の清掃、下水管の更生などの衛生関係の業務全般を行っています。そちらをメインとしつつも、現在はリサイクルにも力を入れており、様々な素材のリサイクル製品を生み出しています。その中でも廃ガラスやガラス瓶などから製造している「クリスタルサンド」は日本環境協会のエコマーク認定商品に認定されており、様々な用途にご利用いただいています。

―クリスタルサンドを生み出すきっかけはありましたか?

クリスタルサンド

山本氏 ビン・カンの収集業務の中で、選別しきれない残渣があるものは行政のごみ処理場に持っていっていたのですが、そのごみ処理場の閉鎖が決まったことがきっかけです。最初は別のごみ処理場に持っていく話になっていましたが、なんとか弊社で再資源化できないかと考え、進め始めました。

―再資源化を始めるにあたり、何か明確な思いはありましたか?

山本氏 私個人の話をさせていただけるのであれば、やはり地域に貢献したいという思いはありましたね。単にゴミにしてしまうよりも、リサイクルして資源にした方が環境にも優しいですし。私の考えではありますが、会社としてもそのような思いはあるのではないかと思います。

―御社の再資源化の特徴はどういった部分でしょうか?

山本氏 ガラスは、他のリサイクル可能なゴミと比べると、最も再資源化率が低い資源ゴミと言われています。なぜなら、ガラスをゴミとして回収した際に細かいガラス以外のゴミが入っていると再資源化が難しくなるからです。細かくなればなるほど、ビンに利用したラベルや糊などのガラス以外のものを取り除くのが難しくなります。また、色付きビンと呼ばれる透明や茶色以外の、その他の色のビンは資源ゴミではなく燃えないゴミとして回収されることも多くあります。そのような再資源化が難しい細かいビン・ガラスでも色つきビンでもリサイクルできるのが弊社の強みです。

―なぜ再資源化が難しいガラス瓶でもリサイクルができるのでしょうか?

山本氏 先程も申し上げたように、リサイクルを難しくしている要因は、ガラス瓶の周りに付着しているラベル・糊や、収集の段階で混入するキャップなどのガラス以外の素材のゴミです。それらをできるだけ取り除く設備を導入し、ガラスだけになったところにエッジレス加工という鋭利な角をすべて削り取る加工を施しています。簡単に言うと、自然界で石が砕かれ、角がどんどん削り取られて砂になっていくように、ガラスを破砕し、機械を利用して素材同士をぶつかり合わせて角をとっていきます。その結果、砂状になったガラス「クリスタルサンド」となるのです。

―「クリスタルサンド」はどのように利用されているのでしょうか?

山本氏 基本的には、砂の代わりになります。本来は砂で埋めるところに砂の代わりに使われるほか、最近では小学校の砂場で砂の代わりとして利用された実績を持っています。原料がガラスと聞くと危なそうなイメージがありますが、安全性が行政に認められたということです。他にもグラスサンドアートに使っていただいたり、グラスタイルを作成するイベントやブロックの化粧材に使っていただいたりなど、見た目が綺麗かつ比較的頑丈な素材なので、芸術的な用途や建築材としての用途もあります。大阪の香里園駅前の100mに渡る歩道の舗装など、公共の場でもご利用いただいています。

このように建築材としても利用されるために、「クリスタルサンド」はあえてゴツゴツ感を残しています。確かに安全面を考慮するだけであれば丸い方がいいように思えるのですが、骨材として使用することを考えると丸い素材は不向きなのです。そこである程度のゴツゴツを残した、本当に自然の砂に近い形状をしています。丸みを帯びさせるためには、ゴツゴツしたガラスになったところからさらに熱処理を加える必要があるので、完全に丸にするよりも低コストで製造することが可能です。

―「クリスタルサンド」の製造にあたり苦労した点はありますか?

山本氏 角を取る加工を施す機械は異物をとても嫌います。パチンコ玉1個入っているだけで不具合が出たり、壊れたりしてしまうんです。製造が止まってしまうのももちろんですが、セラミックのような高価な素材を使用していますので、壊れてしまった際のコストも高くついてしまいます。だから異物は徹底的に入らないようにしなければならない点は、苦労した点と言えるかもしれません。

ものづくり補助金を利用して導入した装置で金属異物の除去能力が2倍に 

―ものづくり補助金はどの部分に利用されましたか?

山本氏 先程申し上げたような、異物を除去するための装置に利用しました。

梅本氏 例えば、ガラス瓶の表面にはラベルがありますよね。ラベルは強力な糊でガラスに貼り付いています。その除去は非常に難しく大変なのですが、そのラベルをはがす装置をパワーアップさせました。以前から導入はしておりましたが、装置の構造を見直し、さらに性能を向上させた形です。
新しく導入した機械としては、ドラム状になっている回転式のエアトロンメルです。内部に素材を通しながら風を当てることによって、軽いビニール等の異物を吹き飛ばすことができます。

―異物の混入をどれぐらい軽減することができましたか?

梅本氏 原料が一定のものではないので、全体的に数値化することは難しいのですが、金属異物の除去能力はほぼ2倍になりました。

―まだ改良の余地はありますか?

山本氏 ありますね。異物の混入ももちろんですが、世の中には様々なガラス製のものがあります。ガラスは用途がとても広いんですね。建築に利用したガラスやテレビに利用したガラス、太陽光パネルに利用したガラスなど、将来的には多岐に渡るガラスを取り扱えるようになりたいと考えています。どの企業様も最終的に処理に困るのはガラスです。再生できないガラスが非常に多いので、そのガラスを再資源化したいですね。少しずつ幅を広げての受け入れは開始しています。例えば、家電メーカーが製品に使用したパネルガラスの端材を再資源化し、別の工場の建材として利用した実績があります。

―クリスタルサンドの今後の展開についてお聞かせください。

山本氏 現在、クリスタルサンドを製造している工場は山城工場と森屋工場の2つです。山城工場は年間1,000トンほどの処理能力を持ち、リサイクルした製品の利用先の確保が出来ています。能力的な限界を感じたため、3年ほど前に森屋工場を設立しましたが、こちらで再資源化したものはストックをし、建築用や土木用として大量に利用していただけるお取引先を探しているところです。来年度から本格的にそちらの出荷を行っていきたいと考えています。山城工場は少量生産、森屋工場は大量生産と使い分け、BtoBにもBtoCにも並行して対応していきたいですね。

藤野興業株式会社の主な製品や工場風景

  • クリスタルサンドを混ぜた素材を利用したグレーチング。強度が高いクリスタルサンド利用建材は大型トラックの通行にも耐えられる。
  • 回収したガラスを利用して作成したプレート。ガラスを幾重にも折り重ねて製造されており、ガラスの形が模様となっている。
  • ガラス再資源化の工程チャート

企業プロフィール

企業名
藤野興業株式会社
ものづくり補助金利用事業名
廃ガラスリサイクルにおける、異物混入防止・分別精度向上による新製品の創造
基本情報
創業年月 1965年1月
代表者 藤野 正勝
本社所在地 〒584-0045 大阪府富田林市山中田町一丁目11番8号
TEL/FAX番号 0721-24-0118/0721-24-2709
Webサイト http://www.fujino-kougyo.co.jp/
資本金 9200万円
従業員数 113名
取扱製品 クリスタル ストーン・サンド、すやり霞、ガラスokoshi、ビーズ、
ルミネサンド(蓄光砂)、クリスタルグレーチング、泥化処理土

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