注目の出展企業 「永平寺サイジング株式会社」(福井県)

「軽いのに強い。ポリエステル100%の
クッション材を糸から製造し販売する」

永平寺サイジング株式会社 代表取締役 河合 国昭

出展プロフィール

会場
東京
業種
繊維工業

ポリエステルを紡糸するための設備を導入し、リサイクルのできる環境を整備

―御社の主な事業内容についてお聞かせください。

弊社は合成繊維の織物の製造を行っております。弊社の社名にも入っている「サイジング」というのは、繊維工業における縦糸の準備工程の一つなのですが、その受託も承っております。また、健康マットの製造・販売も行っております。

―今回ご出展いただくのはどのような製品ですか?

ポリエステルの糸を使用したクッション材です。「メディカルコンフォート」という商標をとっています。22年ほど前に帝人様が開発をし、世界特許をとった製品が大元になっています。その後弊社に移管されたのちに、素材を全てリサイクルできるように転換、さらにクッション性をアップさせることで、新たな特許を取得いたしました。

―クッション材はリサイクルすることが可能なのですか?

はい、可能です。以前はポリエステル以外の素材が混じっていた関係で、リサイクルを行うことができませんでした。しかしこちらのクッション材はポリエステル100%なので、ケミカルリサイクルができるようになったのです。そのために、ポリエステルを紡糸するための設備も導入し、弊社で一貫した製造を行えるようにしています。

テイジン様が弊社のクッション材の前身である織物を開発した1995年には、まだそれほどリサイクルの風潮は高まっておりませんでした。弊社が開発に取り組み始めた約10年前は、リサイクルの波がかなり大きくなってきていたので、リサイクルできるようにしないと商品として通用しないなと感じたのです。そこでポリエステル100%の織物を開発しよう、と考えました。ちょうどその年は、国内の原糸メーカー様が軒並み国内生産を中止した年でもあります。そのタイミングで弊社が紡糸に参入したのは、かなり幸運だったと思います。糸を作るノウハウや設備を、同時に用意することができました。

ラーメン構造と一線を画す3次元多層構造の織物

―御社の製品ならではの特徴はありますか?

高反発マットレスパッドというと、様々なメーカー様が様々な製品を販売しています。その大体の製品が、インスタントラーメンの茹でる前の状態のような、糸が絡まりあった構造をしています。ラーメン構造体と呼んでいるのですが、樹脂を積み上げたような状態になっているんですね。弊社のクッション材は、織物を作ってから縦方向にグッと収縮させて作ることで、水平方向に連続したアーチ状のトンネルのような空気層が重なり合います。弊社では3次元多層構造と呼んでおります。その結果、高いクッション性を持ちつつ通気性のよい織物が出来上がるのです。

また、ラーメン構造体の織物と比べると、パッと見た感じは似ているのですが、拡大して繊維を見てみると、糸の太さが5分の1の細さになっています。そのため重量もラーメン構造体の織物よりとても軽いです。しかも、紡糸したポリエステル繊維を強度と伸度を持たせながら糸にしているので、細いにも関わらず5倍ほどの強度になります。強度が高く、軽い。それが特徴ですね。

さらに、弊社のクッション材は、厚さ1mmの織物の状態で在庫しておくことができます。例えば災害時に備えて備蓄しておけば、いざという時には熱さえかければ膨れ上がり、クッション材として機能してくれるのです。ヘアドライヤーや熱湯の熱などで十分なので、簡単に膨らませることができます。

ラーメン構造体のクッション材は、少ないものだと2工程しか経ないものがあるのですが、弊社の織物の製造には10工程ほどの製造工程があります。そのような複雑な工程は大量生産には向かないため、多くの企業様がラーメン構造体で増産しており、弊社の織物の構造体のようなクッション材を手がけている企業様はありません。手間をかけてでも品質の良いものをお届けしたい。その思いを形にした技術は、中小企業の成せる技かなと感じています。

―ものづくり補助金はどのように使われたのでしょうか?

通常、糸を切るとその断面は丸い形をしていますよね。そうすると負荷がかかるたびに糸が逃げてしまいがちです。そこで、糸の断面を楕円形にすることでしっかりと体を支えてくれる構造にする必要がありました。そのためにはノズルなどの研究が必要だったため、補助金を利用いたしました。

やはり紡糸のノウハウがゼロの状態からのスタートでしたし、そもそも北陸で糸から織物までを作るメーカーはほとんどありませんでした。ですから、非常にリスクが高い挑戦だったと言えます。そこに補助金などの力を借り、原糸メーカーにいた技術者様の助力をいただき、開発を進めることができたので非常に感謝しております。

―今後はどういった製品にしていきたいですか?

最近、現在の機能を保ちながらさらに20~30%ほど軽量化できる素材が見つかったんです。現在、ラーメン構造の織物と比べると2分の1~3分の1ほどの重量なのですが、新素材を利用すれば4分の1ほどにすることが可能です。世界を見てもそれほど軽いクッション材というのは存在しませんので、現在も一部でご利用いただいている航空機分野や、新しいところで言えば電気自動車分野などでの採用も見込めるのではないかと考えております。ぜひ開発を進めていきたいですね。また、さらなる軽量化が実現すれば、個人所有の移動用クッション材としてもご利用いただけるのではないかと考えております。40cm×50cm程度のスペースがあれば十分ですので。

―今後の事業展開をお聞かせください。

弊社は、これまで技術の開発に注力してきました。しかし技術だけでは限界があるため、今後はブランディングと販売ノウハウの蓄積が重要になってくると考えております。現在は大体年間3万枚ほどの製造・販売を行っておりますが、軽量化が進めば3倍以上の製造体制を実現することができます。そのため今はとにかく、売上を伸ばすことが重要です。今回の展示会では積極的に弊社のクッション材の機能をアピールしていきたいですね。

永平寺サイジングの主な製品や工場風景

企業プロフィール

企業名
永平寺サイジング株式会社
ものづくり補助金利用事業名
平成24年度 衝撃吸収機能付加3次元織物クッション材の開発と立体成型加工技術による曲面加工可能な量産技術開発
平成27年度 自社一貫生産による高機能オフィスチェア用新規弾性テキスタイルの開発
基本情報
創業年月 1963年5月
代表者 河合 国昭
本社所在地 〒910-1212 福井県吉田郡永平寺町東古市2-22
TEL/FAX番号 0776-63-2203/0776-63-7025
Webサイト http://www.eiheiji-sizing.co.jp/index.html
資本金 7,000万円
従業員数 14名
取扱製品 AQフロント(三次元多層構造織物)、オフィスチェア向け高機能テキスタイル

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