注目の出展企業 「株式会社アポロジャパン」(神奈川県)

「世界を変える見えないドット『スクリーンコード』で
デザインの邪魔をしない情報の埋め込みを可能に」

株式会社アポロジャパン 代表取締役社長 岸上 郁子

出展プロフィール

会場
東京
業種
情報サービス業

バーコード、QRコードに次ぐ第3のコード「スクリーンコード」

―御社の主な事業内容についてお聞かせください。

弊社ではスピークンという音声ペンやSCボイス、それからセキュリティ事業など、さまざまな事業を展開しております。そしてこれらの事業の中心にあるのが、弊社の特許技術である、スクリーンコードです。

―スクリーンコードとはどのような技術なのでしょうか?

簡単に言うと、見えないコードです。人間の目には見えない極小のコードを紙や画面に埋め込み、それによってモノと情報をつなげていくのです。現在普及しているものではバーコードやQRコードが近く、実際バーコードが第1世代コード、QRコードを第2世代コードとして、このスクリーンコードを第3世代コードとする向きもあります。

―具体的にバーコードやQRコードとの違いはなんでしょうか?

やはり大きさですね。バーコードやQRコードというのは当然目に見えるもので、そこにレーザーなりカメラなりを向けて情報を読み取ります。しかしスクリーンコードはそのサイズが極めて小さく、肉眼で視認することができません。2mm四方の枠の中にある6×6個の1つ42.3ミクロンのドットなんて、見えるはずがありませんよね。もちろん中には目に見えるサイズのものを利用していることがあります。スクリーンコードのプロモーションであったり、あるいはスマートフォンで認識する際にはカメラがコードを判別しなければならないので必然的にサイズは大きくなります。と言っても1cm角の四角形に9×9個の1つ260ミクロンのドットです。

また、その小ささを生かして画面全体にコードを連続して配置させることで、どこに読み取り機を当ててもコードが読み取れる、という特徴もあります。QRコードの場合にはカメラにコード全体を入れなければならないですよね。しかしスクリーンコードを全面に配置した状態ならどこにカメラを当ててもコードが入ってくるため、そうした手間もなくかざすだけで情報を読み取ることができます。

―近年話題になっているAR技術との違いはありますか?

ARも平面に埋め込まれたコードから情報を読み取るという意味では同じですが、ARの場合は、バーコードやQRコードと同様、全て画像読み込みです。一方スクリーンコードは、先ほどお話した極小ドットの細かいズレを識別します。一見両者は同じに見えますが、実は大きな違いがあります。画像読み込みの場合、例えばあるキャラクターの画像から情報を読み込ませようとしても、それが一つの情報だけならいいのですが、例えば100通りの情報を伝えたいとなったとき、それを実現させるためには似たような、でも明確に違う画像を100通り用意しなければなりません。しかしスクリーンコードなら、枠内にある81個のドットの位置により、理論上7K通りの情報を読み取らせることができます。これならキャラクターデザインをいちいち考えなければいけないこともなく、コストも削減することができます。

―今後スクリーンコードをどのようなところに使っていきたいですか?

「世界を変える見えないドット」ですので、社会の幅広い分野での活躍を目指します。例えば音声ペンですが、レコーダー機能を充実させることにより、お年寄りのための備忘録としての役割を果たせると考えています。お薬の箱にコードを埋め込み、これと録音した音声を紐づけることでコードにタッチするだけで「毎朝に一錠」といった音声を流せますから。

音声学習にも有効です。SCボイスという製品なのですが、今までの機能はCDトラックとコードを対応させることで、教材とスマホだけあれば勉強できる、といったものでした。これからの改良としては、今まではコードに紐づいた音声データをその都度クラウドまで取りに行っていたのですが、スマホ内部に取り込んだ音声データとコードを紐づけられるようになれば、地下鉄や図書館など電波状況の悪い状況でもスムーズな学習が可能になります。

他にもまさに見えないコードという特性を活かした事例が考えられます。例えば高級なシャンプーや化粧品など販売ルートが決まっているのに、安い金額で横流しされる事例があります。一つ一つに個別の見えないコードを印刷することによりそのような横流しを防ぎ、ブランド力を守ることにも利用可能です。このような不正転売はもちろん、ブランド品の模倣品などにも雰囲気を壊すことなく識別コードの埋め込みが可能なので、こうした分野にも使っていただければなと思います。

ハードからソフトへ、鳥のように「本当に自分に必要なもの」だけを残した進化を

―御社全体としての強みはどういった部分でしょうか?

それにはまず弊社の成り立ちを説明する必要があります。私の夫は中国出身なのですが、日本の大学院を修了したのち、帰国し天津市にて天津アポロという会社を設立いたしました。アポロという名前は初めて有人で月面に降り立ったアポロ号からとったそうです。これが弊社の大元です。もともとはソフト開発の下請けをしていたのですが、次第に大手企業さんなどからも受注をいただくようになり、その中で手掛けた印刷技術専用ソフトの開発をきっかけに、印刷分野に進出していきました。中でも東レさんからの発注で開発した帳票組版ソフトは、当時の日本企業の約半数が導入していたともいわれるようなものでした。

こうしたバックグラウンドを持つ弊社ですから、印刷分野に強みを持っています。特にハード面での技術は、最近始められた企業さんよりも一日の長があり、例えば通常の高速印刷と同じ速度でかつ一枚一枚違う内容での印刷が可能です。この技術を活かした量産体制においては、同業他社様よりも優れていると考えております。

―ものづくり補助金はどういった部分にご利用いただきましたか?

弊社では過去4回の補助金をいただいております。順を追って説明していきますね。

1回目は、失語症の方に向けての音声ペンの開発です。これは、患者さんが安心して便利に使える製品をということで、セラピストさんなど専門家の方もお呼びしての開発となりました。

2回目はユーグレナさんのノベルティノート100冊の生産とマーケティング、それからクラウドとアプリの開発などに使いました。

3回目はスクリーンコードを識別するための検査機に埋め込むための名刺サイズのボードの開発に利用しました。このボードを使って、例えば現在QRコードで行われている空港の搭乗手続きに取って代われないかと考えております。スクリーンコードを利用することの利点は二つあって、一つはセキュリティの観点です。目に見えないコードにコピーガードをつければ、見えないし写せなくなるので、チケットの複製などは起こりえません。それから先ほども話しましたがQRコードのようにしっかりとタッチしなくても情報読み取りが可能なのでスムーズな手続きが可能です。名刺サイズのボードを機械に埋め込むだけでスクリーンコードに対応するようになるので、目指せ東京オリンピックということでいま活動中です。

4回目は先ほどの学習参考書に使えるというSCボイスの開発に使わせていただきました。

―今後の事業展開をお聞かせください。

まずは特許周りをしっかりと固めていきたいですね。現在弊社では中国でも特許を持っているのですが、理由は単純で日本国内ですべての特許を取得・維持しようとしたら億単位のお金がかかってしまうからです。中でもセキュリティ関係のものは、需要の問題から中国で取得することにしています。やはり日本に比べて中国というのは模倣品などの不正が起こりやすいですから。こうした複雑な管理形態をとっているので、今後のためにもしっかりとした管理をしていきたいです。

あと実はものづくり補助金の使い道にも表れているのですが、弊社は現在ハード中心からソフト中心の事業へと移行している最中です。音声ペンなどの教育関係は、どんどんライセンス化を進めていきます。もともとは大手学習参考書メーカーさんからペンの製造の依頼を受けていたのですが、それだと効率が非常に悪い。そこで弊社が依頼元のメーカー様と実際の製造していただいている工場をつなげて、弊社はライセンス料をいただく、というモデルにシフトしました。これをモデルパターンに今後もやっていきたいです。こうしたハード面でのライセンス化を進めていく一方で、IoT化が叫ばれる現代ですからクラウドやサーバビジネスなどには積極的に取り組んでいくつもりです。

私自身は、「鳥の進化」のように会社を発展させていければいいなと思っています。鳥というのは空を飛ぶために、そのほかの無駄な部分をすべてそぎ落として進化してきました。会社も同じです。ハード面などにおいて、弊社でなくともできるところがあるなら、そこにお任せしてしまえばいい。無駄に全部を自分でやろうとすると、結局抱えすぎて空は飛べません。そうではなく、自分にしかできないもの、自分が本当に世に出したいと思えるものに誇りをもって取り組んでいく、ということを意識しています。

なので実は、会社を大きくしたいとはあまり考えていません。小さくてもいいからきらりと光るものを作っていく。その過程の中でかかわりを持った人たちと楽しく事業をしていき、そして働いてくれる社員がきちんとやりがいを持てる。そんな会社にしていきたいですね。

株式会社アポロジャパンの主な製品

企業プロフィール

企業名
株式会社アポロジャパン
ものづくり補助金利用事業名
平成24年 リハビリ仕様音声ペンとコンテンツ開発
平成26年 見えないコードでCSR(社会貢献)を見せるサービスの構築
平成27年 バリアブルコードの検査機新システム開発
平成28年 語学教材のCDを不要にするスマートフォンアプリケーションの開発
基本情報
創業年月 2005年3月
代表者 岸上 郁子
本社所在地 〒230-0046 神奈川県横浜市鶴見区小野町75-1 横浜リーディングベンチャープラザ1号館503号
TEL/FAX番号 045-633-7868/045-633-7867
Webサイト http://www.apollo-japan.ne.jp/
資本金 4,750万円
従業員数 3名
取扱製品 スクリーンコード関連ソフトウエア、ハードウエアの開発販売

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